「お客様には無価値な品質競争」のワナ
「お客様には無価値な品質競争」のワナ
前回に引き続き、顧客視点なき競合との差別化です。
これは、本当に大変多くのビジネスで間違っていることです。
血も涙もないデジタル家電の現場で考えてみましょう。
よくデジタル家電で見られるものに、
・業界最軽量の、たった○○グラムを実現。
・史上初の、○○万画素を搭載。
・世界最薄のたった○○ミリ!
といった宣伝文句があるかと思います。
さて、このような製品性能は、あなたの購買理由には結びついているでしょうか?
大半の家電を買うヒトの心理は、「まァ、そこそこの性能のを、お値打ち価格で」ではないでしょうか?
たとえば、薄型テレビの薄さとかでみると、4センチメートルでも、5センチメートルでも、顧客にとってどれほどの違いがあるのでしょう?
しかし、メーカーは、5センチを4センチにする、つまり20%も薄くするという努力のために、並みはずれた研究と労力をつぎ込むわけです。
特に、日本のメーカーは品質を求めずにはいられません。
これを「お客様には無価値な品質競争」と呼びます。
(もちろん、そこで求める品質が購買理由に直結する場合は別です)
これは、製品を開発しているところでも、サービスを提供しているところでも、同様のことが起こりえます。
では、なぜ、「お客様には無価値な品質競争」が発生するのでしょうか?
自分と競争相手しかみていないからです。
続きます。