戦略的な差別化とは6
今日も、ご覧になっていただき、ありがとうございます。
昨日は、差別化をするならば戦略面から、そして、商品・サービスを画期的にするのではなく、売り方自体を画期的にするようにと書きました。
売り方が画期的といわれても、ぴんと来ないかと思います。
好例は、アメリカのザッポスです。
ザッポスが扱ったのは、靴です。靴をインターネットで販売しました。
商品自体は自社開発のオリジナル品ではなく、どこででも買えるものです。
しかし、米アマゾンを駆逐し、靴の全米No.1企業に成長します。
では、ザッポスのどこがすごかったのでしょうか。
ひとことでは語りつくせませんが、あえて挑戦するならば、それは徹底したホスピタリティです。
ザッポスのコア・バリューの第1条は、「サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける」です。
「なるべく電話をかけさせない」ことを戦略の前提におく、オンラインショップにおいて
徹底して電話サービスに重きを置きました。
(お気づきでないかもしれませんが、Amazonは電話番号をWeb上に載せていません)
そして、思いつく限りの従来型のサービス品質、たとえば24時間365日対応や返品保証などはつけたうえで、
自社に在庫がなければ、他社に在庫がないか調べてお客様に教える。
お悔みのお客様には、電話対応の従業員の自由は判断で、花を贈る。
ピザ屋を尋ねられたら、ピザ屋を調べて教える。
などなど、数々の伝説を作っていくのでした。
ザッポスは、自ら「靴を売ることになった顧客サービス企業」と名乗っています。
この言葉に大きなヒントがあります。
すぐれた戦略によって、ビジネスそのものが変質します。
ちょっと考えていただきたいのですが、
既存の靴屋と、ザッポスは競合関係にあるのでしょうか?
わたしはそうは思いません。
既存の靴屋の顧客が、靴が欲しくて、どこで買うかを考えますが、
ザッポスの顧客は、ザッポスのサービスが受けたいので、靴を買うのです。
以前書きました「あなたから買いたい」状態です。
スモールビジネスが見習うべき、戦略的差別化の大いなるヒントがあるのではないでしょうか。