マーケティングとセールスの違い2
今日もご覧になっていただきありがとうございます。
どのような美辞麗句を並べたとしても、
すべてのビジネスは、売上をあげ、利益を残さなくてはなりません。
売上をあげるには、商品・サービスを売らなければなりません。
“売る”という行為は、極めて重要です。
売らないことには始まりません。
あなたも、私も。
だから、売ること、売上を上げることを頑張ってしまいます。
これは間違ってはいません。
しかし、落とし穴があるのも事実です。
昨日に引き続き、レビット博士の言葉を引用したいと思います。
(なお、引用文中の強調、下線は引用者が追加したものです)
----- 引用ここから ------------------------------
大量生産型の産業は、できる限り生産量を増やそうとする。生産量の増加に伴い、急速に製品の限界コストが低下する魅力には、どんな会社でも抗し切れるものではない。それがもたらす利益の増大は何より素晴らしい。したがって、企業努力は生産に集中し、その結果、マーケティングは軽視される。
ジョン・ケネス・ガルブレイスはこれと逆の現象が起こるという。生産量が膨大になるので、市場で処分するために懸命な努力がなされる、というのだ。彼によれば、騒がしいコマーシャルが流れたり、田園風景が広告で汚され、浪費としか思われない低俗な販促手法が取られたりするのは、このためだという。
ガルブレイスは一面の真理を突いているが、戦略的な面で過ちを犯している。大量生産が製品の「移動」に圧力をかける原因であることは間違いない。しかし通常、そこで強調されるのは販売であって、マーケティングではない。マーケティングは販売よりも高度で難しい機能なのに無視されるのだ。
マーケティングと販売は、字義以上に大きく異なる。販売は売り手のニーズに、マーケティングは買い手のニーズに重点が置かれている。販売は製品を現金に替えたいという売り手のニーズが中心だが、マーケティングは製品を創造し、配送し、最終的に消費させることによって、顧客のニーズを満足させようというアイデアが中心である。
産業によっては、大量生産の能力を最大限に利用したいという誘惑にかられ、何年もの間、経営トップが販売部門にはっぱをかけてきた。「製品をあますところなく売りまくれ。そうしないと利益が出なくなるぞ」
対象的に、真のマーケティング・マインドを持った企業は、消費者が買いたくなるような値打ちのある製品やサービスを創造しようとする。売ろうとするのは、製品やサービスそのものだけではない。それがどのようなかたちで、いつ、どのような状況下で、どのような取引条件により、どのように顧客に提供されるのか、ということも含めて、すべて売ろうとするのだ。
最も重要なことは、企業が売ろうとするものが、売り手によって決まるのではなくて、買い手によって決まるという点である。売り手は買い手からの誘導によって動くのであり、売り手のマーケティング努力の成果が製品になる。けっしてその逆ではない。
セオドア・レビット『マーケティング近視眼』
(1960年ハーバード・ビジネス・レビューより)
----- 引用ここまで ------------------------------
いかがでしたでしょうか。
いまいち、ピンとこない方は、次の過去記事を参考になさってください。
続きます。