4PのPlaceで勝つ3
昨日に続いて、4PのPlaceについて。
昨日はPlaceを変えるとデメリットもついてくるということを書きました。今日は、そのデメリットの抑え方について。
まず、Placeを変える・新たに開拓することによって想定される影響を、出来る限り特定します。
恐らく、「実行するために、何が必要か?」という質問からでてくる答えについては、すらすら出てくると思います。
例えば、昨日のマックデリバリーの例ならば、電話を受けるスタッフや、宅配用のスクーターやアルバイトが必要だ、とかです。
これらは、そもそも検討段階から出てくるので、その対処法もやるぞとなった段階では出ています。ですので、「実行するために、何が必要か?」という質問から出てくる影響は、デメリットとなり難いので、ここでは省きます。
ですが、なかなか見えにくいのが、「これをすることで、副作用はあるか?」という質問への答えです。
ここでは、こちらの方を中心に見ていきます。
例えば、製造業や卸売業が、小売に乗り出す(ネット販売に乗り出す)というのは、販売価格がアップするのでとても魅力的です。
しかし反面、取引先の小売店の立場で考えれば、本来、小売店が得られる利益を、小売に乗り出す製造や卸が吸い上げてしまうので、面白くありません。
こういうケースでは、既存のPlaceに強みをおいているところは、その強みが弱みになります。
もうひとつ例を出せば、高級ブランドのアウトレット進出です。
一時的に、そのブランドを買いたくても買わなかった層からの売上が見込めますが、高くてもそのブランドを購入していたファンからしたらブランド価値が著しく低下し、本来売れていた正規の値段での商品が売れなくなるという事態が生じます。
さて、これらの副作用からくるデメリットを、きちんと網羅し、対策をとるというのは、極めて難しいことです。
下記は、スターバックスについての記事です。
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売り上げを獲得しようと企業ポリシーを曲げて商品開発が行われた。コーヒーの香りを台無しにする、チーズの焼け焦げた匂いが店内に広がった。何の関係もない縫いぐるみが売られたりした。ブランドはじわじわ毀損される。
WebGOETHE より
----- 引用ここまで ------------------------------
さて、ではどうするか?
これら副作用からくるデメリットを最小限に抑えるコツは、4Pの他の3つのPもあわせて変えるということです。
Product(製品):製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
Price(価格):価格、割引、支払条件、信用取引 等
Promotion(プロモーション):広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
Place(流通):チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
そうすることで、既存の自社製品・自社サービスとも差別化させることができます。
たとえば、先に出した、製造・卸の小売り進出でいうならば、製品そのものや売り方(販売単位)などを、実際に小売に出されている状態とは、完全に別なものになるようにします。
別な言い方をすれば、限定品化を目指すのです。