「売り難さ」を解消するカギ
先日、『値上げをしないで客単価をあげる10の方法』をリリースしました。
脳科学と心理誘導を使って客単価をアップさせる、ある意味えげつないメソッドですから、普段お伝えしている、顧客の期待に応えることが大切だ、などという内容とは、あまりにかけ離れた内容です。
多少は心を痛めております。
そんな贖罪の意味でも、今日から何回かに分けて、レビット博士の言葉を、ご紹介していきたいと思います。
あなたの商品・サービスは売りやすいのか、売り難いのか、という言い回しは、
良く使われる表現です。わたしもよく使います。
一般的には、手に取れる商品・サービスは売りやすい、手に取れない商品・サービスは売り難いといわれます。
しかし、手に取れても売り難い、というものは溢れています。
レビット博士が、これらのことの本質を見事に見抜きます。
自分のビジネスは“売り難い”という認識がある方は必読でしょう。
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サービスを売るのか、製品を売るのかによって企業を分類しても、それほど経営の役には立たない。あえて分類するならば、表現を変えたほうが有意義である。「サービス」と「製品」と言う代わりに、「無形財」(intangibles)と「有形財」(tangibles)と呼んだほうがよい。工場でつくられるものが何であれ、市場では例外なく製品の「無形性」が売買されているからだ。
無形財のマーケティングと有形財のそれがどう違うのかを考えてみると、この分類の有用性がはっきりする。もちろんこれら二つの違いは歴然としているが、重要な共通点がある。すなわち、有形財と無形財のいずれにも無形性が含まれているのだ。
マーケティングとは要するに顧客を獲得して、それを維持するための活動である。顧客を獲得するうえで決め手になるのが、無形性である。ただし顧客を維持する際に、無形性が多い製品には非常にやっかいな問題が持ち上がってくる。
~中略~
だから、どんな製品-たとえば何トンもある巨大タービン・エンジン-でも、無形性が購買の決め手になるといってよい。いかに苦心して設計し、入念につくり上げた製品でも、設置場所を誤ったり、使用法を間違えたりしたら、失敗してしまう。顧客を失望させてしまうのだ。マーケティングにとって、この事実は非常に意味深長である。
前もって試用できない製品の場合、見込み客はずばり「満足を与えます」という約束を買っている。有形で、テスト可能で、触ったり、匂いを嗅いだりできる製品であっても、購入前はすべてが約束に過ぎないのである。
セオドア・レビット『無形性のマーケティング』
(1981年ハーバード・ビジネス・レビューより)
----- 引用ここまで ------------------------------
あなたの商品・サービス、改め、無形財・有形財が、お客様に「約束」することは、何でしょうか?
そして、もし、この「約束」が「お客様を幸せにします」といった抽象的すぎる言葉になるならば要注意です。
ディズニーランドも「お客様を幸せにします」し、10円のチロルチョコも「お客様を幸せにします」し、わたしも「お客様を幸せに」しています。
続きます。