「売り難さ」を解消するカギ2
引き続きレビット博士から学びたいと思います。
・商品/サービスで考えるのではなく、無形財・有形財で考えよう。
・たとえ有形の製品でも、購入前に売っているのは、「約束」という無形財である。
ということでした。
本日はその続きです。
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約束を有形化する
消費や使用によって得られる満足が、購入前の試用官や約束とまったく同じであることはまずない。しかも、約束の程度は製品によってまちまちだ。製品特性や設計、外観、宣伝、価格、あるいは顧客のニーズやウォンツの違いによって異なる。
製品によっては、約束よりも期待度が低い場合もある。このアイシャドーを使えば、どんな女性も、男性を悩殺する夜の牝虎に変身できるという宣伝コピー(約束)があったとしよう。たとえほしくてたまらないと思っても、そのコピーを文字通りに信じたりはしない。しかし、これが販売を促進させる。
新築の本社が豪華な写真で紹介されたところで期待は高まらない。しかし、有名建築家による芸術味あふれるたたずまいを見せられると、労働意欲に燃えた社員たちが、緑あふれる中庭で、しゃれた洋服に身を包み、のんびりと昼食を取っている姿を想像してしまう。この比喩的な表現が、有能な人材を引きつけるのに役立つ。
こうした理由から、購入前の試用が不可能な製品の場合、比喩を用いて安心させることが、マーケティング活動には必要である。本来無形である約束は、販売の際に「有形化」されなければならない。これによって男を悩殺する牝虎にもなれば、人材募集に応募してくることにもなる。隠喩であろうと直喩であろうと、比喩は前もって提供も試用もできない有形財について、代弁する役割を果たす。
セオドア・レビット『無形性のマーケティング』
(1981年ハーバード・ビジネス・レビューより)
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本来、有形財である製品を、無形財の約束に変えて、さらに有形財のコピーに変える。
ということを言っています。
ちょっとややこしいですね。
たとえば、
ファンデーション(化粧品)があったとします。これは製品です。
この製品には、若く見えるようになるというベネフィットがあります。これは約束です。
なので、このベネフィットを「マイナス5歳肌に」といった比喩にします。これはコピーです。
といった感じでしょうか。
続きます。