FSPを考える

FSPについて。
単語は知らなくても、その存在はご存知かと思います。

FSPとは、フリークエント・ショッパーズ・プログラム
(Frequent Shoppers Program)の頭文字をとったものです。

とても簡単にいうと、お店で買い物をするともらえる
ポイントカードや会員カードです。
あのカードを通して、既存顧客のロイヤルティを高めて
お客さんを囲い込むマーケティング手法のことを、
FSPといいます。

このFSPの背景にある考え方は、パレートの法則(2:8の法則)といって、
簡単にいうと、2割の客が、8割の売上をもたらすという考え方です。

さて、FSPをはじめ、こういったマーケティング手法は、
はやり廃りがあるわけです。
FSPは終わったという意見もあるようです。

なぜでしょう?

確かに、いまではどのお店にいってもポイントカードみたいな
ものをくれます。
もしくは、「無料でお作りできますけどいかがですか?」と
いわれます。

ただ、そのポイントカードを持つことによって、
どんなメリットがあるのかを教えてくれるお店は
ほとんどありません。

このあたりが、FSPが終わったといわれる理由でしょう。

つまり、どこも同じことをやっているならば、
ポイントカード自体が差別化要因には繋がらない、
ということです。

あまりにポイントカードに慣れてしまったわれわれは、
「ポイントがたまると、ちょっと割引」
よりも、
「カードを持ち歩かない自由」
の方を選びます。

何が問題かというと、他店と同じことをしている、
というところが、問題なのです。

とはいえ、わたしは、FSPはまだまだ有効だと思います。
他店と同じことが問題なのですから、
他店と違うようにやればいいのです。

ある人づてに聞いたラーメン店では、
麺もスープの食べきった客に対してのみ、
クーポンを発行するそうです。

そして、そのクーポンが5枚だか集まると、
ラーメン一杯無料と、認定証がもらえるとか。

以降、認定証を示すと、トッピングサービスの
優待が受けられる、といった内容です。

ラーメン10杯食べたら1杯サービス、
なんていうありふれたスタンプカードよりも
よほどガッツがあるFSPです。

ざっとポイントは、次のとおりかと思います。
・「一滴残らずスープも飲め」という店側の価値観に、
  共感する客だけが特典を受けられる。
 (店側が積極的に優良な2割の客を絞り込んでいる)
・受けられる特典の内容が他店より優れている。
・「認定」という自尊心をくすぐるシステム

マーケティング手法をどうこう言う前に、
それを使ってどう差別化できるかを考える方が重要です。

FSPで差別化をすることができれば、
それがそのまま店(ビジネス)の差別化に繋がります。

どうにか競合と差別化できないか苦心している
ビジネス・オーナーは、FSPを見直してみるのも
手でしょう。

ちなみに、差別化という点では、
FSPを導入していない業界ならば、
やるだけで効果があるでしょう。

いつもしている話しになりますが、
「うちの業界では、ポイントカードなんてあり得ない」
と思った方ほどチャンスですよ。

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