売れない原因の典型的なパターン

顧客知覚価値の考え方を、私はよく使います。

そもそも、顧客知覚価値とはなにかというと・・・

数式で表すと
顧客知覚価値=総顧客ベネフィット-総顧客コスト

総顧客ベネフィットとは・・・
・製品ベネフィット(製品そのものの価値:機能・信頼性・希少性など)
・サービスベネフィット(製品に付随したサービスの価値:保守・メンテナンスなど)
・従業員ベネフィット(従業員の応対やパーソナリティによる価値:対応態度など)
・イメージベネフィット(企業イメージ・ブランドイメージなどによる価値)
を全部足したもの。

総顧客コストとは・・・
・金銭的コスト(製品価格・維持費・配送費など)
・時間的コスト(納品までの時間、交渉に要する時間、使用法の理解に要する時間)
・労力コスト(商品探索や購入時の手続き、店舗から自宅に持ち帰る労力)
・心理的コスト(初回購入時の不安・購入時のストレスなど)
を全部足したもの。

どういうことか、図示します。
ちょっと見え難かったらごめんなさい。
天秤に乗っているイメージです。

<総顧客ベネフィット>      <総顧客コスト>
製品ベネフィット         金銭的コスト
サービスベネフィット       時間的コスト
従業員ベネフィット        労力コスト
イメージベネフィット       心理的コスト
――――――――――       ――――――――――
    |                |
   ――――――――――――――――――  

はい。
総顧客ベネフィットの方が大きい(重い)ように
できれば、売れるようになる考え方です。

別の言い方をすると、
売れるように、
天秤の左を重くして、右を軽くするように、
という考え方です。

具体的には、
新規のお客様は、「心理的コスト」が大きいから、
なかなか買ってくれない。
だからその分、初回の割引をしよう。
(心理的コストが増える分を
金銭的ベネフィットで相殺する)
という使い方とかです。

さて、前置きが長くなりました。

この顧客知覚価値の考え方を使っていると、
よくハマる落とし穴があります。

それは、

“総顧客ベネフィットが大きければ売れる”

という錯覚です。

フレームワークの考え方の全否定みたいな
意見に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

この
“総顧客ベネフィットが大きければ売れる”
という考え方は、
実は、
“商品・サービスがよければ売れる”
“こんないい商品が、これだけお値打ちならば買うでしょう”
という考え方と同じです。

買い手の立場になれば、わかります。
“いらないものは、どんなに安くてもいらない”
のです。

売りたいのならば、最初に考えるべきは、
・見込み客をどうやって欲しい気持ちにさせるか?
・もしくはどう欲しい気持ちの見込み客を集めるか?
です。

その後で、
“欲しい”状態になった後で、
顧客知覚価値を大きくすることで、
“買う”に繋がります。

ところで、どうやったら見込み客の方は、
あなたの商品・サービスを欲しくなるのでしょうか?

誰(どんなひと)にとって、
どんなイイことがあるからでしょうか?

売れない原因の典型的なパターンは、
「商品・サービス」自体の価値を考えても、
「顧客」にとっての価値をちゃんと考えてない、です。

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