差別化できない理由6(補足)
これまで差別化について記事を書いてきました。
お読みの方から、独自資源というのがよくわからない
という、ご質問をいただきましたので、
回答を含めてフォローをさせていただきます。
強み・差別化は、「お客様」が自社を選ぶ理由。
その強み・差別化を、「競合」がマネできない理由。
という、言い方に変えた方が伝わりやすいかもしれません。
一番わかりやすい独自資源の例は、特許技術です。
強み・差別化としては、お客様は、特許技術を備えた製品から
期待される価値(=ベネフィット)を買います。
例えば、特許スリッパでみてみましょう。
ダイエットをしたい方に、つま先立ちダイエットをし易くする、
かかと部分がないダイエットスリッパという製品があります。
これは、その他大勢のスリッパと比べるとかなり差別化できている
というのは、ご理解いただけると思います。
スリッパひとつとっても、
サイズ、素材・材質、形状、ブランド、製造国、価格、
など、色々な要素がありますが、
このダイエットスリッパは、
(家の中で)「つま先立ちダイエットができる」
というものです。
さて、この形状自体を真似することは技術的には容易にできます。
(類似品も出ているようです)
しかし、特許があることで、競合の真似を法的に抑止できますし、
特許侵害で訴えることもできます。
強み・差別化を、特許という独自資源が支えている、
という例としては、わかりやすいかと思います。
ただ、ご注意いただきたいのが、
独自資源そのものが、お客様が選ぶ理由ではない、
ということです。
お客様は、ダイエットスリッパを買う理由は、
特許があるから買うワケではなく、
ダイエットができるから、です。
とはいえ、独自資源は万能ではありません。
例えば・・、ジュースの自動販売機の例でみてみましょう。
話をシンプルにするため、
あなたの自宅の近所には、コンビニはないものとします。
夜中にジュースが飲みたくなったら、
家の近所の自動販売機で買うしかない、
という状況だったと仮定します。
また、商品や価格は、自動販売機上、
大きな差異はないものとします。
このとき、お客様(あなた)が、自動販売機を選ぶ理由は、
「家から近いから」です。
自販機の強み・差別化は、「(あなたの家から一番近いから)スグ買える」です。
このときの強み・差別化を支えている独自資源は、
あなたの家の近くの土地に自動販売機を設置する、
という借地権となるかもしれません。
ただし、これを競合が真似できないか、と考えたときに
2メートル先の土地に、競合が自販機を出す、
ということが防げないかもしれません。
すると、競合自販機の強み・差別化は、
「(あなたの家から一番近いところから2メートル先ですが)スグ買える」です。
最初にある自販機の強み・差別化要素は、
消されてしまいました。
独自資源の方が、容易に真似されてしまったからです。
そんなことをいったら、
ウチには、独自資源なんてムリだ、
と思われるかもしれません。
しかし、安心してください。
必ず独自資源は見つかります。
独自資源もいつかは真似されます。
でも、容易に真似できない、
真似しようとしても時間がかかる、
というものは、十分な独自資源です。
競合が追い付こうとする間に、
自分は先に行けるからです。
長くなりましたので、明日に続きます。