顧客心理のウラ側
心理学的なハナシを聞きたい、とリクエストをいただきました。
確かに購買心理の理解はビジネスをする上では、
とっても大切です。
マーケティングもセールスも、その目的は
“ヒトを動かす”ことです。
極端にいえば、マーケティングもセールスも、
自分のビジネスの提供する価値を、
知ってもらい、
理解してもらい、
買ってもらうことです。
これって、“ヒトを動か”してますよね。
あえて、誤解を恐れずに書いています。
“ヒトを動かす”と書くと、
なにも、買う気がない方を口先でだまして押し売りする、
と思われる方がいるかもしれませんが、
そうではありません。
そこは誤解をなさらないでください。
たとえば・・・
わたしは選挙のシーズンになると、
「これは、マーケティングの戦いだ」と思います。
どういうことかというと・・・
選挙活動のすべては、
選挙権のある人を、
投票所に行かせて、
投票用紙に自分の名前を書かせる
ことを目的としています。
(ヒトを動かしていますね)
このハナシは長くなるので、今日はやめますが、
選挙演説はセールスコピーの雛型(スワイプファイル)に
なりますよ。
おススメです。
さて、本題の顧客心理というか人間心理のハナシです。
市販されている図書としては、
ロバート・B・ チャルディーニ著『影響力の武器』(誠信書房)や、
ジョセフ・シュガーマン著の『シュガーマンのマーケティング30の法則』(フォレスト出版)が有名ですし、
わたしもおススメします。
で、今日はこれらの本には書いてあることではなくて、
ちょっとした心理ヒントをお伝えしたいと思います。
やはり顧客心理系の本で書いてあったことなのですが・・
ちょっと出典は忘れてしまいました。
(思い出したらフォローします)
結論からいうと、
“人間の発言や信条には、相反する欲望を持っている”
ということです。
三島由紀夫的にいうならば、愛と憎のアンビバレンツといった
ところでしょうか?
たとえば・・・
「仕事は責任感をもって取り組む」という方がいたとします。
あなたもそうですか?
わたしもそうです。
でも、そんなヒトに「あなたは責任感がありますね」と
ホメてもそれほど響きません。
当たり前だからです。
でも、こう言われたらどうでしょうか?
「あなたは責任感がおありかと思います。
ですが、これについては、あなたが責任を感じる必要はありません」
いかがですか?
なんだか、ちょっと、ホッとしませんか?
責任感を重んじる方は、同時に責任を負うことによるプレッシャーやストレスもあります。
ということは、そのプレッシャーやストレスから逃れたい、という心理も同時に働きます。
つまり、“責任感が強いヒトは、同時に責任逃れを望んでいる”ということです。
これは、責任の例でしたが、
いつも部屋を掃除してキレイにしていたい
→怠けて散らかしたい
とかもそうですね。
このテクニックは、肌感覚でご理解いただけると思いますが、
じわっと効きます。
コツはじわっと、にじませる程度に使うことですね。
本人も気づいていないウラ心理なので、
たとえば「あなたは責任逃れをしたいですよね?」といった
直球に伝えるのはダメです。
役に立つヒトには、すごく役立ちそうですが、
役に立たないヒトには、まったく役に立たない
顧客心理のハナシでした。
ではまた。