ビジネスを差別化させる発想法3
前回は、自分の“売りモノ”は一旦忘れて、
「どの市場のシェアを、ちょいと分けてもらうか」
と考えましょう、という話をしました。
こういうことを書くと、恐らく出てくる質問は、
では、どうやってその市場を選ぶのか、だと
思います。
それはズバリ、“おいしい市場”を狙ってください。
おいしい、の概念は人それぞれだと思います。
そもそも市場規模が大きいとか、
利益率が高いとか、
参入障壁が低いとか・・。
むしろポイントは、きちんと“市場がある”、
ということです。
“ニーズはあるが市場はない”ということはあります。
差別化という、世間ズレを狙うわけですから、
イチから市場自体も開拓しようとするのはリスクが高いです。
そもそも、分けてもらう(かすめ取る)という考え方です。
こうして参入する市場が、仮に決まったとします。
ここで初めて、あなたの売りモノが出てきます。
あなたの売りモノを、その市場と接続するのです。
前回と同様、コーヒーの例をとって、
コンビニコーヒーで考えてみたいと思います。
スタバを狙ったマックがそこそこ獲れたのなら、
コンビニでも獲れるのではないか、という判断なのかも
しれません。
個人的には、“第三の場所”でテイクアウトを
しているユーザーを狙ったのだと思います。
たとえば、朝のオフィス街をみていれば、
スタバなどのコーヒーのカップを手に
通勤している方を見かけると思います。
あの方たちはオフィスの自席に着いて
コーヒーを飲みます。
“空間”ニーズはありません。
そして、その方たちのコーヒーは
習慣化していますから、ほぼ毎日・・。
そうして、代表格のセブンカフェが
1年強で累計5億杯突破だとか。
もちろん、この背景には、
セブンイレブンの既存店舗数と来客数が
あります。
コンビニには従来の来店している客数がありますから、
そこにコーヒーメーカーを設置すればよいわけです。
もちろん、コトはそんなに簡単ではないですが、
新規にブランドを作って、新規に店舗を開いて、
(最近よくみるコメダを狙った“○○珈琲”系など)
とするよりは、格段にラクなことはご想像
いただけると思います。
まあ、差別化のハナシをしているのに、
コンビニがどこもかしこもコーヒーに
参入して差別化になっていないじゃないか、
というご批判もあるかとは思います。
そのあたりは、レビット博士の『模倣戦略の優位性』を
ご参考になさっていただくとして。
肝心なのは、この接続の感覚です。
○○珈琲として、コーヒー市場に参入すれば、
それは新たな真っ向勝負です。
そうではなくて、
既存事業と参入市場を、うまく掛け合わせることで、
新たな売りモノ、売り方ができないか、
という発想です。