アイス業界に学ぶ、販売戦術

今年は梅雨入り前に猛暑日(最高気温35℃以上)を記録するなど、
暑い夏になりそうな予感がします。

さて、こんなニュースが出ていました。

―― 引用ここから ―――――――――

アイスクリーム類・氷菓の2013年度の国内販売額は19年ぶりに過去最高を更新し、4300億円を超えたもようだ。

昨夏の猛暑で売れ行きが伸び、冬場の需要定着や景気回復も後押しとなって4年連続で4000億円台を維持。
森永乳業の「パルム」など各社の大人向け商品も消費者に浸透し、顧客層を広げた。

~中略~

国内販売額は2004年度以降、ほぼ右肩上がりで伸び、冬場の需要も下支えとなって10年度には4000億円台を回復。
業界では「今後、猛暑にならなくても4000億円台は維持できる」(メーカー幹部)と楽観的な見方も出ている。

ただ、ここ数年は新ジャンルのヒット商品を生み出せていないのが各社の悩み。
売れ筋はロッテの「爽(そう)」や「雪見だいふく」、明治の「エッセルスーパーカップ」、森永の「ピノ」、赤城乳業の「ガリガリ君」といった定番やその派生商品という状況が続いている。
新たな需要の喚起にはヒット商品が欠かせ ず、各社は開発を急いでいる。

SankeiBiz『アイス販売19年ぶり最高 定番商品が好調、冬場の需要も下支え』より
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140612/bsc1406120500009-n1.htm

―― 引用ここまで ―――――――――

さて、そのような好調でなによりなアイス業界ですが、
各社、売るため工夫は参考になります。

今日は、そのアイス業界から発想を借用するという観点で、
いくつかご紹介したいと思います。

○客単価をアップしたいならば・・・

アイスの商品ラインナップをみると、
単品売りと、5~複数セットのお徳用で分けて販売しています。
袋売りと箱売り、といった方がわかりやすいでしょうか?

セット販売をすることで、一気に単価を数倍にできます。

○値上げをしたいならば・・・

記事にもある定番商品「雪○xxxx」ですが、
以前と比べて明らかに量が減っているように感じて
驚いたことがあります。

お菓子業界というか食品業界全体にいえることですが、
お値段据え置きで、量を減らすという
実質値上げ作戦です。

お客様から不評や不満を招くでしょうけれど、
それでも買っていただけるのか、
もう二度と買うものか、と思われるのかは、
ある意味で商品力勝負だと思います。

○新たな価値を訴求したいならば・・・

ヒット商品「ガリガリ君」は、ニュースになるような
季節限定商品を出すなど、話題作りが上手いです。

確か、リッチコーンポタージュ味が売れ過ぎで販売中止とかに
なっていました。

個人的に記憶に残っているのが、
映画『STAR WARSエピソード1/ファントム・メナス 3D』とコラボレーションした
限定パッケージ『ガリガリ君リッチ チョコバニラチョコクッキー』です。

誰がターゲットとされたかは、もはや述べるまでもないでしょう。

なにより強烈(凶悪)なのが、そのキャンペーンでした。

スティックに「スター・ウォーズ当り」がでたら
「スター・ウォーズ×ガリガリ君オリジナルTシャツ」を
もれなくプレゼント、というもの。

まあ、ありがちといえば、ありがちなのですが・・・

あなたの周りにもスター・ウォーズならば何でも買うというファンがいるように、
私の周りにもスター・ウォーズのファンがいて、散々、食べさせられた記憶があります。

ガリガリ君が活用したのは、
このスター・ウォーズのファンの熱です。

このアイスを大量に購入したのは、ガリガリ君のファンではなく、
スター・ウォーズのファンなのです。

このとき、消費者が買っているベネフィットは、
“当りが出るかもしれない期待”です。

決して、アイスとしてのガリガリ君ではありません。

ロイヤルティに見合うならば、この戦術は極めて有効です。

さて、これをあなたのビジネスに、どう取り入れるのか?

自分のビジネスには無理だ、と思えばそれまでですが、
顧客心理までさかのぼれば、工夫できるところはあるでしょう。

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