強者のマーケティングとそれへの対抗

今日は、趣向をかえて、もしあなたが強者だったとしたら、
どのようなマーケティングを行えばよいのか、
ということについて書いていきたいと思います。

先に、この内容を書く意図についてご説明しておきます。
競合(主に大手)がこのような手段を用いてきたとしても
対抗できるように、備えておきましょう、という狙いです。

1.実績と知名度を徹底して訴求する

“元禄△△年創業”
“わたしたちは、○○(社名)という理由だけで選ばれています”
など。

古くからあるから良い。
有名だから良い。
というステレオタイプな効果の活用です。

老舗や名門でも、ときどき従業員による詐欺などの不祥事が報じられますが、
そのときの騙された被害者側は、騙された理由として、
「だって、あの○○(社名)のひとが言うから・・・」
という、理由ではない理由を述べています。

もちろん、これは騙すのに有効ですよ、というハナシではなく、
“名が通っている”ことには、それだけの有無を言わさぬチカラがある、
ということです。

たとえば、旬な話題として、サッカーワールドカップの優勝国予想のような
ものがあったと仮定しましょう。

ブラジルが、
『今回のワールドカップでは、どの国が優勝するかは決まっていません。
 しかし、過去5回以上優勝したことのある国はブラジルだけです』
と、アピールしたとします。

今回の大会で優勝できる理由は皆無ですが、
有無をいわさぬ説得力です。

今回は過去最高のメンバーが集まっているとか、
コンディションがとてもいいとか、
相手が弱いとか、そんなことは一切不要です。

これは個人相手のビジネスでも、法人相手のビジネスでも、
どちらでも有効に働きます。

特に、ひとには“失敗したくない”という感情が強く働きます。
法人の場合、正しくは法人にお勤めのヒト(特に管理職)の場合、
これに加えて、さらに
“(決裁のため)面倒なことはしたくない”
“責任を取りたくない”という感情も働きます。
この“無難”を望む感情をくすぐるのです。

さて、コンペで競合が、このようなアピールをしてきたら
嫌ですよね。

では、競合がこのようなアピールをしてきたら、
スモールビジネスの場合は、どう対抗していったらよいでしょうか?
あなたは、正直いって、実績も知名度も資金力も足りていない前提です。

ヒント1 素直に認める

ひとつの事例として。
アメリカのエイビス・レンタカー社の
有名な広告をご紹介したいと思います。

Avis is only No.2 in rent a cars. So why go with us?
We try harder. (When you're not the biggest, you have to.) ・・・

意訳すると、
我々はNo.2なので、もっと頑張ります
ということです。

No.1の椅子にふんぞり返ったサービスに不満を感じる顧客には響きます。

ヒント2 共感を利用する

ある方から聞いて、印象に残っているのですが、
「なぜ、源義経は、源頼朝よりも人気があるのか?」
の問いに対して、
「源義経は、兄に虐げられた弟のハナシ。弟の立場ならば当然、義経に同情する。そして、兄よりも弟の数の方が圧倒的に多いから」
という論拠でした。

戦後の核家族化が進むまでは、長男が跡取りとして家に残り(財産総取り)、
あとの兄弟は家を出ていく、というのが常識で、
さらに兄弟数も8人以上とかがざらでした。
こういう背景をおさえると、妙に説得力を感じたのを覚えています。

転じて、小が大に対抗するようなエピソードを加えることができれば、
共感を呼ぶことができるかもしれません。
(大より、小のほうが、数が多いから)

ヒント3 顧客を絞る

エイビスの例でお気づきの方もいたかもしれませんが、
あの広告では「No.1とだけ取引したい」という類のヒトは捨てています。

これを応用できないか、考えてみましょう。

「ご自分のアタマで考えることが苦手で、ただ大手に任せておけばよい、という考えのお客様は、どうぞ大手へご依頼ください。
当社は、本当の価値を理解される賢いお客様のためだけにサービスを提供しております」

ちょっと攻撃的なコピーになりますが、こんな感じです。

こんな広告を打とうものならば、
(あなたにおカネを払わない方から)クレームや苦情はたくさんくるでしょうけれど、
(あなたにおカネを払ってくれる)賢いお客様からは反応を得られることでしょう。

長くなったので、続きます。

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