あなたが売るものと、お客様が買うもののギャップを埋めましょう

あなたは、最もラクなビジネスとは、どんなビジネスだと思いますか?

わたしが思うに、「これは○○(商品そのものの名前)です」とだけ言って、
売れるビジネスではないでしょうか?

たとえば、「これは水です」と告げるだけで、水が売れたら、
こんなにラクなことはありません。

たいていのビジネスは、「これは○○(商品そのものの名前)です」とだけ言って
売れる状況ではないでしょう。

期待させてしまって申し訳ないですが、ラクなビジネスなんてないですよ、
というのが、まず最初に言いたかったことです。

たとえば、「これは水です」と伝えるだけで売れるような状況を確立するために、
あなたが、砂漠の真ん中まで水を運んで成功したとしても、
あっという間に真似する業者が出てきて、
「これは水です」だけでは売れない状況に変わってしまいます。

その前提に立って・・・

あなたのビジネスを、ラクなビジネスに近づける方法はあります。

それは、「あなたが売るものと、お客様が買うもののギャップ」を近づけることです。

つまり、「これは○○です」と告げる代わりに、
「これで○○できます」と、お客様が得られることを告げるのです。

ちょうど昨日ご紹介したレビット博士の論文でも、そのことに触れています。

―― 引用ここから ―――――――――

レブロンの創業者チャールズ・レブソンはかつて、自社の事業について問われて、
「工場では化粧品をつくります。店舗では希望を売ります」という実に意味深い返答をした。
もとより、レブソンは思い違いをしていたのではない。
女性たちが求めるのは化学物質としての化粧品ではなく、ひとを惹きつける魅力である。

セオドア・レビット『広告の倫理性をめぐる考察』
(1970年ハーバード・ビジネス・レビューより)

―― 引用ここまで ―――――――――

 

化粧品でいえば、

「これはファンデーションです」だけで売るのは厳しいですね。

とはいえ、

「このファンデーションは、新開発の○○という技術を使って精製した△△粒子をふんだんに使った、わが社が今年の夏に自信をもってお勧めする商品です。研究開発したチームは6カ月の歳月をかけた研究の末に商品化にこぎつけることができて、とても達成感をもってこの時を迎えています。社長も喜んでいます」

酷い例ですが、残念ながら、これでも、売れません。

「このファンデーションで、5歳は若く見えるようになります」

こちらならば、若く見せたい方には売れます。

 

水でいえば、「これは水です」で水を売ることができるのは、
地方公共団体が運営する水道局くらいのものでしょう。

巷で売られているミネラルウォーターなどを注意してみてみると、
・健康
・ダイエット
・オシャレ
・エコ
・ボランティア
などなど、
「水です」だけには留まらない訴求、すなわち、
この水を買うことで得られる価値を
アピールしている商品があることに気付けると思います。

「これは水です」と告げて販売するのと、
「この水を飲むだけで、ダイエットできます」と告げて販売するのと、
どちらが、ラクに売れそうでしょうか?

 

そして、世の8割の商品・サービスは、「これは水です」といったレベルの
アピールしかしていません。
だからこそ、チャンスです。

 

あなたがマーケティングを考える際に、最も重要かつ基本になることは、
お客様が得られる価値(専門用語でベネフィットといいます)です。

 

そのシンプルかつ強力なエクササイズとして、
「これは○○(商品・サービスの総称)です」と告げるところを、
「この○○(商品・サービスの総称)で、△△(お客様が得られる価値)ができます」と告げることができないか、考えてみましょう。

(もちろん、ダイエット効果がないのに、ダイエットできると告げるのは詐欺になるのでNGです)

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