信用ならない医療ムックに学ぶ顧客心理

今日はメディアの活用と顧客心理について書いてみたいと思います。

いきなりですが、

ヒトは、格付けやランキングが大好きです。
特に、日本人ならばなおさらでしょう。

ですから、
あなたのお客様も、きっと格付けやランキングは大好きです。

あなたのビジネスが、信頼ある格付け機関から、
よい評価を受けることができたとしたら・・・

どれだけビジネスがやりやすくなるかは、
もはや語るまでもありません。

そこで、今回の記事です。

―― 引用ここから ―――――――――

テレビの病院ドラマが相変わらず人気だ。『ドクターX』に続き『アリスの棘』。医療ミスや病院の複雑な内情を描く物語が高視聴率を得ている。

現実の事件も多い。先日も千葉県がんセンターのすい臓がん手術で、同じ医師が3人以上の死亡者を出していたと週刊朝日がスクープ。真相は依然不明だ。

その週刊朝日の名を冠したムック『手術数でわかる いい病院』が2003年から毎年発行されている。2月発行の14年版では12種類にも及ぶがんの調査が目を引く。なにしろ日本人の2人に1人ががんになり、死亡者の3割はがん。こうしたムックをがん病院探しの頼りにする人は多いが、本当に道標になっているのだろうか。

表紙には「全国&地方別ランキングTOP40」と謳い、独自の調べで12年の手術数が多い順に病院が並ぶ。これでいい病院がすぐわかるかといえば、肩すかしを食う。ランキングと謳うからには、「なぜこの病院が1位なのか」などの理由や個別病院の動向を読みたいのに、全く触れていないからだ。

~中略~

業界ランクの作成はどの新聞社でも日常茶飯事。決算時には企業ランクが紙面に載る。下位企業が上位に躍進すればその原因を取材するのは記事作りのイロハである。なのに病院ランクではなぜできないのか。医療側に情報公開の義務や強制力を迫る制度がないためだ。とはいえ、収入源の医療報酬には税が投入され、医療法人の公益性は強い。

医療通の識者たちは「業界全体が『医者は命を扱う神様』の体質。取材者は『有り難いお話』を拝聴し、書き写すのが仕事と信じている」と断じる。対等に取材できる環境ではないらしい。

その上、「朝日や読売のムックは会社の稼ぎ頭のひとつ。重要な事業だから、広告主の病院のご機嫌を損ねられない。広告掲載料だけでなく大量購入にもつながる。個別病院のランクに踏み込めないのは当然」(関係者)。確かに、双方とも病院広告が相当のページ数を占める。

11年11月に週刊朝日は「いい病院」の過去5年間の病院ランクの変遷について記事を掲載。国立がんセンターの麻酔科医が大量退職し手術数が激減したこと、がん研有明が診療科間の壁を取り払い、進取の気風が患者を集めたことなどを書いた。「大量の病院広告がない週刊誌だからできた」と話す事情通は「ムックはジャーナリズムではなく事業ですから」と断言した。

医療の実情を知りたいというニーズは切実だが、各新聞系のムックはせっかくの素材をジャーナリズムの衣をまとった商品にしてしまっている。医療と企業の癒着が問題になり、医療費増大の今こそ、真っ当な医療ジャーナリズムが必要なのに。

FACTA ONLINE『信用ならん「いい病院ランキング」~朝毎読日経の医療ムックは看板倒れ。ジャーナリズムの衣をまとった金儲けだ。~』

http://facta.co.jp/article/201406031.html

―― 引用ここまで ―――――――――

記事はタイトル『信用ならん「いい病院ランキング」~朝毎読日経の医療ムックは看板倒れ。ジャーナリズムの衣をまとった金儲けだ。~』のとおり、医療ムックへ批判的です。

ですが、その善悪は、ここではいったん忘れて、
この記事から透けて見える情報を読み取っていきたいと思います。

カンタンにいいますと・・・
・医療ムックは売れている。
・病院の格付け(よい病院探し)は読者の関心ごとである。
・大衆にとって格付けの「論拠」は重要ではない。
ということが推察できます。

極端なハナシをすれば、
“大手新聞社のムック本は、大手新聞の権威のもとに「正しい」と判断される”
ワケです。

大手病院にとっても、大手新聞社にとっても、
こんなにオイシイ提携ビジネスはありません。

繰り返しますが、ここでは道義的な善悪は、いったん忘れてください。

ここからが肝心なことになりますが・・・

今日は、この事実というか、ヒト(=見込み客・顧客を含む)の習性を、
あなたのビジネスに、どうにか取り入れてみましょう。

「ウチは医療系ではない」とか、
「ウチは新聞に広告を載せるような予算はない」といった
レベルで、考えを止めないでください。

最もイージーなものとしては、
・チラシなどの販促物を、「記事風」にする
・商品カタログを、「ランキング風」にみせる
・見込み客にとって、自社よりも信頼性の高いヒト(個人・法人)のメディアで掲載してもらえるよう依頼する
などです。

もうひとつ、抽象度をあげたハナシをするならば、
格付けやランキングが有効なのは、
そもそもヒトは、自分のアタマを使って調べたり考えたりする
ことが苦手で、自動的に避ける習性があるからです。

よく詐欺的なものにひっかかった被害者側の言い分で、
・だって大手ならば安心だと思って とか
・だってテレビでやってたし とか
・だって○○の社員さんがいうから とか
いう言葉がでてきます。
これも本質的には同じです。

誤解がないように補足しますと、
知的に怠惰なヒトが、常に怠惰かというと、そうではなく、
賢いヒトが、常に賢い判断をするかというと、そうでもありません。
賢い経営者や富豪が、アヤシイ投資話にひっかかる例は、
たくさんあります。
身に降りかかってくるすべての事象に対して、
十分な知識を身につけ、合理的に判断することは
実質的に不可能です。

ですから・・・
「お客様が購買決定をする際に、アタマを使わなくて良いようにする」
というのは、極めて有効な手段になります。

たとえば、
1.あなたは、こういう問題を抱えています。
2.わたしは、その問題を解決できます。
3.以上のことは、これらの情報から正しいです。
というトークを準備することで、
買うべき理由をお客様の代わりに考えて用意してあげる
とかです。

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