実例にみる『処方する前に診断する』の表と裏
『7つの習慣』を読んだ方ならご存知かと思いますが、
“第5の習慣-理解してから理解される”のなかに、
“処方する前に診断する”という章があります。
今日は、そのハナシです。
具合が悪いというハナシを昨日書きましたが、
私の症状は、39度の高熱と全身の激しい筋肉痛でした。
インターネットで自分の症状を調べる限り、医学の素人が自力で調べる限りは、
流行りのヘルパンギーナ大人版だと推察されました。
ただし、風邪といえるような症状(のどの痛み・せき・鼻水など)は、
一切ありません。
さて、そこでさすがに怖くなって、内科医に診察してもらいましたところ、
良く分からないから様子をみましょう、とのことで、
解熱鎮痛剤を処方されました。
・・・確かに。
熱があって、筋肉痛が酷ければ、私も欲しいのは解熱鎮痛剤です。
ただ、正直いって、私がなんで全身筋肉痛の身体を引きずってまで、
診察を受けにきたのかを、その医師はまったく理解する気配もありませんでした。
つまり、私はそもそもの原因に対してプロの意見を聞きたかったのです。
原因があるから、その原因を除去・解消することによって、
治った、と思えるわけです。
なんだかわからないけど、薬を飲んだら治ったからいいじゃん、とはなりません。
次に、いつ、何が引き金となって、この症状が訪れるかわかりません。
むしろ、「正直お手上げだから、もっと大きな病院を紹介するから
そこに行きなさい」と言われた方がまだ安心できます。
このセンセイにも、他に方法はあったと思います。
たとえば・・
「あなたの症状は、9割方、ご推察のとおりヘルパンギーナです。
一般的な症状が完全に一致しませんが、そういうこともあります。
ヘルパンギーナにはワクチン等はないので、対処療法のみになります。
解熱鎮痛剤を出しますので、3日間は安静にしてください。
それでも症状がよくなくならなければ、別の原因も考えられます。
でもその際には別な症状も表れているでしょうから、また診せにきてください」
こう言われれば、私のような偏屈者でも、ある程度は納得したことでしょう。
さて、『七つの習慣』では、
“医者が患者に処方する前に必ず診察するのと同じように”と、
医者をよい参考としてコミュニケーション在り方を説いているワケですが、
そのお医者様も、忙しかったのか、不安なことがあるのか、
はたまた患者を嫌悪したかはわかりませんが、なんらかの要因で、
“診断せずとも処方する”ことを行うことがある、ということです。
(もしくは“診断できないくせに処方してごまかす”)
そして同書では、
“診断を信用できなければ、処方も信用できないのである”
と続きます。
さて、まとめに入っていきます。
マーケティング、セールス、はたまたビジネスと、
対人コミュニケーションを考える上では、
“処方する前に診断する”は必須です。
そしてこれは、私個人の意見ですが、
スキルというよりは、注意力の問題です。
人とすれ違った際に会釈をしましょう、とある意味で同レベル。
そこに、注意を向ければ、今すぐでも実行できますし、
今できても、3日後にはすっかり忘れてできていないかもしれません。
まさに“習慣”という表現は、その通りだと思います。
まぁこれは『七つの習慣』の著者でもあるコヴィー博士も仰っていること
なので、私が言うまでもないですが。
マーケティングの言葉に置き換えれば、
顧客視点に立って、ベネフィットを提案しましょう、
とかと結局は言っていることは同じです。
ですが、今日の本題はコチラです。
“相手が処方する前に診断してきたら、どうするか?”
ここまでお読みいただけた経緯を踏まえれば、私が、
“あの医者はヤブだ、もちろん処方された薬なんて飲むか”
と怒りに任せることもできる、
ということはご理解いただけると思います。
なにせ“診断を信用できなければ、処方も信用できないのである”ですから。
とはいえ、公正を期すために書いておくと、私は今回のセンセイを
コミュニケーションとして難なりと思っていますが、
医学のプロとしては信用しています。
ですから、センセイのアタマのなかで駆け巡ったであろう思考を読み取った上で、
さらに、私の自覚症状と素人レベルの医学知識と照らして、処方には従っています。
息も絶え絶えの患者にそこまでさせないでくださいよ、というのが本音ですが。
つまり、どこに利があるか、なにが賢明かを、求めるのは自分次第ということです。
その医師が信用できない(はたまたサービスに満足できない)のであれば、
2度といかなければよいでしょう。
はたまた、それはそれとして、有効は範囲でお付き合いするのも手です。
(あえて解説を加えますと、この“医師”の部分は、取引先、仕入先、
お客様、従業員、スタッフ、パートナーなどに置き換えて考えてみてください)
いちばんオススメしないのは、相手の行為に対して腹を立てることです。