製品は工場内で、サービスは工場の外で

というわけで、週末のレビットアカデミー『サービス・マニュファクチャリング』です。
前回の『どんな産業にもサービスの要素がある』からの続きです。

まずは、序盤です。
製品とサービスの認識の違いについての前提を抑えましょう。

―― 引用ここから ―――――――――

製品は工場内で、サービスは工場の外で

サービスは、製造とまったく異なると認識されている。サービスは個人が他の個人のために、通常は一対一の関係で提供されるものと考えられている。製造は機械がするもので、従業員がかたわらで立ち働くこともあるが、その人数や配置そのものは、機械の条件次第で決まると考えられている。また、サービス(製品関連の顧客サービスでも、いわゆるサービス産業のサービスでも)は「外の世界」で、監督の行き届かない人々により、変化の激しい気まぐれな条件下で行われている。ところが製造は、高度に集中化され、慎重に組織され、緊密に統制され、精密に設計された状態での「工場内で」実施されている。

この違いによって、工場でつくられる製品が、外で作られるサービス(例えば生命保険の勧誘、機械の修理)や提供されるサービス(例えばスペア部品との交換や牛乳の配達)よりも、品質や性能の点で画一的だとされる。これは、けっして的外れな指摘ではない。外の世界にいる代理店の行動をコントロールするのは容易ではない。顧客によって、要求するものもみな違う。そのため、サービス業は製造業に比べて原始的で、鈍くて、ムダが多いと考えられている。まさに当然のことだろう。

しかし、すべてをお粗末だと考えてしまうことには疑問がある。外の世界が、工場内と同じように配慮されるとしたら、もっと新しいビジネスチャンスが生まれるようになるだろう。そのためにはまず、トップ・マネジメントがサービスの本質とその意味について考え直さなければならない。

セオドア・レビット『サービス・マニュファクチャリング』
(1972年ハーバード・ビジネス・レビューより)

―― 引用ここまで ―――――――――

ではまた。

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