ローソンMACHI cafe差別化の終焉

残念なニュースが入りました。

―― 引用ここから ―――――――――

コンビニエンスストア大手のローソンが、店内カウンターで入れたてを提供するコーヒーで、100円のメニューを新たに加えることが17日、分かった。9月末から全国の約9300店舗で展開する。コンビニコーヒーで100円はセブン-イレブン・ジャパンやファミリーマートなどが先行していた。ローソンはこれまで容量が多く185円で提供していたが、量を少なくした100円コーヒーを投入して他社に対抗する。

「マチカフェ」ブランドで展開するローソンは今回、コーヒーの容量サイズや価格を大幅に見直し、メニューを刷新する。

刷新後は最小のSサイズをセブンやとファミマと同じ160グラム100円に変更。新たに250グラム150円のMサイズを追加し、Lサイズは従来の280グラムから300グラムに増量する一方、価格は216円から180円に値下げする。ローソンは最小サイズを200グラム185円で提供していた。さらに通常価格に対し30円値引きしていた会員価格もやめ、価格を一本化する。店員がカップに注いで手渡すスタイルや、コーヒー豆、味などは変えない。

同社によると刷新後のメニューを一部でテスト導入したところ100円のSサイズの売れ行きが伸び、コーヒーの全体の販売数が約6割増となった。現在ローソンは1店舗当たり1日平均70杯を販売しているが、平均100~110杯程度に引き上げたい考えだ。

産経新聞『ローソンも100円コーヒー 月末スタート、3社横並び』
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140918/biz14091807130001-n1.htm

―― 引用ここまで ―――――――――

当サイトでは、以前、『ローソンMACHI cafeから学ぶ差別化の注意点
という記事で、その差別化戦略を絶賛していたのですが・・・。

200グラムで185円を、160グラムで100円にとのことですから、
1グラム当たりの単価も0.3円下がる大幅値下げです。

また、以前の記事では、

“マチカフェの存在感は着実に高まっている。軽食やドリンクを含む全体で、マチカフェのリピート率は50%。人気商品であるメロンパンの25%、おにぎりのシーチキンマヨネーズの30%と比較しても高かった。粗利率も、平均の30%に比べて50~60%あり、「稼ぎ頭」となる実力を備える。”

とありました。

仮に、この50%~60%の粗利が維持できたものとしましょう。
(一般論でいえば、値下げをすれば粗利率は悪化します)

“1日平均70杯を平均100~110杯程度に”の目標数が
販売できたとしても、手元の計算では、
売上も利益も減る計算になります。

もちろん、コーヒーを集客商品と捉えれば、
単品での利益のみで、どうこうはいえません。

とはいえですよ。

これは、ただの値引きや価格改定のハナシではなく、
差別化戦略自体の見直しを含んでいるのです。

“一方、11年以降のマチカフェ事業の展開とほぼ時期を同じくして、競合他社の「100円コーヒー」がヒットした。社内でも当然、「価格重視の路線がいいのでは」という声はあったという。しかし、松本さんは「価格も品ぞろえも100円コーヒーに追随するのではなく、独自路線でいけばむしろ差別化になる」と説得した。「他社と同じことをやっていては勝てない」(羽生さん)。部署をまたいで構成するマチカフェ担当チーム約10人のコアメンバーたちは、そう考えたのだ。”

と言っていて、それを経営も承認していたワケですから。

独自路線での差別化を捨てて、他社追従を選んだローソン・・
当時のコアメンバーの方たちも、苦渋の想いであることでしょう。

小売の大企業であるローソンですから、
この経営判断が吉と出るか凶と出るかはわかりません。

ただ、自らの差別化戦略を、
自ら否定する形となったのは残念な限りです。

100円ありきで考えるのだったら、ローソンストア100でやればよいでしょうに・・。

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