利益率の高い製品に注力する
引き続き、『原材料の不足を逆手に取ったマーケティング』の続きです。
某有名カフェは、あれこれ理由をつけて今年は複数回の値上げを断行しています。
まさに、今年やらなくて、いつやるの、といったところでしょうか。
―― 引用ここから ―――――――――
利益率の高い製品に注力する
原材料不足と価格上昇がおきている時には、売れ行きが悪く利益率の低い「かつての主力製品」を大幅に値上げするのも一案だろう。「お客様はこの製品の存続を強く望んでいる」という言葉のとおりなら、あるいはスーパーマーケットのパンのような役割を本当に果たしているのなら、いまこそ大胆に価格を上げて、利益の上がる製品ラインへと生まれ変わらせる時である。
そうすれば、論点が明快になる。顧客は本当にこの製品にこだわるのか。それとも、その製品なしで済ませようとするのか。幸いにも、原材料不足の実態が広く知れ渡っているため、このような策に打って出ても、顧客の心証を害する恐れは小さい。
利益率の高い製品ラインの売り込みを強化するうえでも、機は十分に熟している。顧客側が「営業担当者にお昼をおごらないと、商品を回してもらえないのではないか」と気をもむようなら、売り手が完全に優位にあると言ってよいだろう。営業担当者は、顧客の気分を害さないように気をつけなくてはいけないが(いつか必ず買い手市場に逆戻りするため、その時に備えておくのだ)、利益率の高い製品を売り込むチャンスがあるのは間違いない。それにそもそも、当面の販売環境では、これ以外に腕の見せ所はないだろう。
セオドア・レビット『原材料の不足を逆手に取ったマーケティング』
(1974年ハーバード・ビジネス・レビューより)
―― 引用ここまで ―――――――――
続きはまた明日。