消費税の表示で、お客様の心を掴む方法
今日は、消費税の表示方法について。
事業を営んでいれば、すでにご存じかとは思いますが、
消費税の転嫁対策特別措置法によって、平成29年3月31日まで
税込み価格を表示しなくてよい「外税表示」と、
値ごろ感を出す「税抜き価格の強調表示」が認められています。
ただし、特例として認められるには、消費者に対して、
「現に表示する価格が税込み価格であると誤認されないための措置を講じている」
という要件を満たす必要があります。
この特例措置、あなたはどれだけ活用していますか?
先週末にこんなニュースがありました。
『GS価格表示、「税込み」に…経産省が要請』
―― 引用ここから ―――――――――
経済産業省は4日、ガソリンスタンド(GS)の価格を店頭で「税抜き」表示している4社に対し、「税込み」表示に改めるよう要請した。
消費税法は、事業者に商品やサービスの「税込み」価格を表示するよう義務づけているが、昨年10月に施行された転嫁対策特別措置法は消費者がはっきりと税抜きだと認識できる場合には特例として、「税抜き」表示することを認めている。
GSの店頭表示については、「税抜き」という注意書きがあったとしても、走行中の車内から税抜きか税込みかを判断するのは難しいため、同省は、「GSの価格表示は原則通り、税込みにすることが適切だ」としている。
読売新聞『GS価格表示、「税込み」に…経産省が要請』
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140404-OYT1T50175.html
―― 引用ここまで ―――――――――
さて、顧客視点で考えてみましょう。
Aさんが、自動車を走らせていて、通りのガソリンスタンドの看板の価格に「おお、安い」と思いました。
この安さなら、と思って、ガソリンスタンドに入ります。
それなのに、実際に給油をすると、なんだか高い。
よく見てみるとガソリン価格が看板と異なっています。
すこし苛立ちを覚え、あたりを見渡すと、
証拠固めのように「うちは税抜き表示です」と書いてあります。
Aさんは「やーい、やーい、引っかかった」と店側にバカにされた気分です。
一度給油したガソリンは返品すうことができないので、
オトナなAさんは、しぶしぶ支払いを済ませます。
心の底では「こんな店には、二度と来るか」と思っています。
では、店側は、というと・・。
合法的に、特例措置を活用して、
お客様にお値打ち感をアピールし、
集客に成功して、
売上を獲得します。
しかし、その背後で、
お客様に“泣き寝入り”をさせていることには気づきません。
客足が離れてきたのが決定的になっても、
その真の原因には気づけないかもしれません。
さて、消費税の価格表示の特例措置について、
結論を書くと、あなたは活用すればするほど、
損をすると、私は考えます。
なぜならば、この特例措置自体が“売り手保護”、
すなわち“売り手の都合”によるものだからです。
「価格表示を変更する手間を省く」ために、
お客様に支払額の計算を押し付ける。
「お値打ちアピール」のために、
お客様に混乱を押し付ける。
フツーに考えたら、これはダメでしょう。
法律で認められているトカ、
他社もやっているからトカ、
そんなことはゴミ箱に捨ててください。
差別化したい。
価格競争から抜け出したい。
顧客に支持され、選ばれたい、ならば、
価格表示は自ずと次のように掲げることになるハズです。
“うちはお客様の立場に真剣に立ちます。
税抜き価格と消費税額を示したうえで、
「いちばん大きく」税込価格を表示させています。
すべて、お客様に安心して、ご納得いただいて
混乱することなくお買い物いただきたいからです。“
実践する段階では、価格感応テストを行う必要がありますが、
これで、小細工なしで消費税を転嫁することができます。
さらに、信頼感をアップさせることができます。
忘れないでください。
競合がやらないことをやるから、差別化です。
ではまた。