差別化ができない理由
競合とは、「お客様のアタマに浮かぶ自分以外の選択肢」であり、
そして強み・差別化とは、「お客様が自分を選ぶ理由」です。
これまでも、何度か書いてきました。
ウラを返せば・・・
世の中にどれだけ類似商品が溢れていても、
お客様が、あなたの扱う商品しか知らないならば、
あなたの競合はゼロです。
(唯一残るのは、「買わない」という選択肢のみ)
反対に・・・
お客様が、あなたおよびあなたの扱う商品を
知らなければ、競争に加わることすらできません。
もちろん、選んでもらう(=売れる)こともありません。
ここからいえることは、スモールビジネスにとっては、
「知ってもらう」ための活動は、
極めて大切、ということです。
さて、ここでは仮に、
きちんと費用対効果が見込める広告を打つなどして、
「知ってもらう」ことには成功したとします。
そうなってくると、
そこでは他に“似たような”商品・サービスを扱っていて、
似たように、「知ってもらう」ことに成功した業者が出てきます。
つまり、“競合”です。
この段階になって、はじめて、同業との差別化が必要になります。
と、ここでちょっと立ち止まって、
一歩手前に戻ってください。
さきほど、仮に「知ってもらう」ことに成功した、
と書きましたが・・
“どのようなお客様”に、“何屋”として「知ってもらう」ことに
成功したのでしょうか?
そして、その“お客様”は、
“あなた”と“誰(競合)”を比べているのでしょうか?
その比べているときの、判定基準は?
・・・実は、ほとんどのビジネスオーナーが、
この質問に明確に答えることができません。
そして、この質問に答えられなくては、
戦略的な差別化はできない、と断言できます。
と、いうわけで、
差別化できない理由の1ツ目は、
・お客様のことが、よくわからない
・さらにその理由は、お客様を絞っていないから
です。
対策は、もちろん、
“顧客ターゲットを絞る”
ことです。
さて、ここで、
「そんなことは知っているよ」という方へ
ひとつ朗報です。
ビジネスオーナーが、
マーケティングに関することで、
最も嫌がることのひとつが、
“顧客を絞る”ことです。
例えば、あなたが虫歯を治療したいと仮定します。
・なんでもできる歯科クリニック と、
・虫歯治療専門の歯科クリニック と、
どちらで治療したいと思いますか?
誰でも、その道の専門家と取引したいものです。
そして、上記のように、
競合が“顧客を絞りたがらない”がために、
“○○専門”と謳っただけで差別化できてしまう、
ことに気づいてください。
おそらく、これをお読みの95%の方には、
“顧客を絞る”ことの重要性は、
分かっていただけたと思います。
でも、同じく95%の方は、“顧客を絞る”ことはしません。
もし、あなたが、95%のしない側に入るのでしたら、
なぜ、“顧客を絞れないのか”、考えてみてください。
あなたなりの答えが見つかれば、
差別化へのカギが見つかることでしょう。