ビジネスを差別化させる発想法2
前回は、低価格がウリな戦略、
すなわち価格による差別化はNGです、
ということをお伝えしました。
そもそも、なぜ、大変な思いをしてまで、
差別化をしようとするのでしょうか?
それは、コモディティ化や価格競争から
抜け出し、市場に確固たる地位を確立したいから、
ではないでしょうか?
で、あれば、
「あそこが一番安い」とお客様から認識されるのは、
「他にもっと安いところがあればそちらに移る」ことを
意味しているワケですから、避けたいものだと
思います。
では、そろそろ本題に行きたいと思います。
差別化するための発想法です。
結論からいいますと、
「参入する市場から発想する」です。
説明不足で怒られそうですので、
もう少し説明します。
言い換えると
「どの市場のシェアを、ちょいと分けてもらうか」
という発想です。
このとき、“自分の売り物”は関係ありません。
自分の扱う商品の市場で、
その市場のシェアを奪い合うことは、
すなわち“真っ向勝負”です。
差別化とは、戦い方を“ずらす”ことでもあります。
例えば・・・
ご存じ、スターバックス・コーヒーは、
コーヒーを売っているのではなくて、
職場でもなく家庭でもない「第3の場所」を売っている、
といわれています。
(確か、スタバ自身がそういっているハズです)
この差別化上の意味はなんでしょうか?
町の個人経営の喫茶店はたくさんあります。
他のコーヒーチェーンもたくさんあります。
恐らく、スタバよりも美味しいコーヒーを扱っているお店もあれば、
スタバより安いコーヒーを扱っているお店もあります。
そして極めつけは、スタバより、安くて美味しいコーヒーを
扱っている店だってあるハズです。
(以前、ラベルを隠して飲み比べするペプシ・チャレンジ方式で、
スタバのコーヒーがマックカフェに惨敗したというハナシを聞きました)
ですが、スタバには客が集まります。
「第3の場所」を求めてです。
この第3の場所の解釈は、ひとそれぞれだと思いますが、
たとえば・・・
・学校帰りに立ち寄る友達の家
・図書館
・自習室
・公園
・娯楽施設
・なじみの一杯やってく店
などでしょうか。
言い換えれば、この第3の場所への
入場料がわりにコーヒーを売っている、
ともいえます。
もっと極端な言い方をしてみますと、スタバは一面において
“職場(学校)から、家に帰るまでに立ち寄って落とすオカネ”の
市場を狙っているワケです。
ここでちょっと立ち止まって考えてみてください。
スタバが上記を狙ったとして、売り物が“コーヒー”である
必要性がないことに気づいていただけるでしょうか?
別に紅茶でもいいですし、ビールでもいいです。
極端なハナシ、飲料である必要もないです。
ですから、
「どの市場のシェアを、ちょいと分けてもらうか」
と考える際には、
あなたの“今”取り扱っている商品・サービスを
一旦忘れてみてください。
なんとなくイメージが湧いてきたでしょうか?
続きます。