模倣も計画的に

そういえば先日、コンビニコーヒーについての記事を描きました。

誰が、誰を模倣したのか、と問いたくなることと思います。
軽く調べた感じですと・・・

2010年11月 M'sスタイルコーヒー(ミニストップ)開始
2011年1月 MACHI cafe(ローソン)開始
2012年9月 あじわいファミマカフェ(ファミリーマート)開始
2013年1月 セブンカフェ(セブン-イレブン)開始

ということです。

では、セブンイレブンが模倣したのか、というと・・
実は、セブンイレブンがコーヒーに参入したのは、1980年代。

カウンターでコーヒーを提供することに関しては、
ミニストップなどは相当昔から実施していました。

ちなみにセブンイレブンは、
2010年頃には、バリスターズカフェという名前で、
いまとほぼ変わらない形態での淹れたてコーヒーの販売をしていました。
(しかし、缶コーヒー97%に対して3%の売上だったらしく、
ビジネスとしてはイマイチだったようです)

長年の試行錯誤と改良の結果、
とうとうキャズムを突き抜けたというところなのだと思います。

―― 引用ここから ―――――――――

『模倣も計画的に』

規模が大きく経営基盤のしっかりした企業は、R&Dあるいは製品開発プロセスに細心の注意を払う傾向にある。純粋にイノベーティブな製品は、入念に編み出した企業戦略の賜物である。このイノベーションは意図され、計画されたものであって、偶然の産物ではない。にもかかわらず、製品の模倣となるとほとんどがまぐれ当たりであったり偶然であったりする。模倣者が計画したとおりの結果ではなく、ライバルのイノベーターが計画した結果である。

イノベーターが計画し、実現させた画期的製品は、往々にして競合他社から疑いの目をもって見られる。一例を挙げてみよう。

数年前、電動歯ブラシが初めて登場したときに、携帯用家電やパーソナル・ケア分野のメーカーの多くは、予想どおりの反応を示した。「当社が考え出したものではない」ということで、もっともらしい失敗の理由を数多く挙げた。しかし電動歯ブラシはたちまち評判となり、人気小型家電の仲間入りを果たした。

もちろん、すべての携帯用家電メーカーが電動歯ブラシの成り行きを眺めていたわけではない。すぐさまユーザーや潜在顧客にインタビュー調査した企業もあった。しかし、そうした活動はきわめて懐疑的な状況で実施されたものが多く、経営者は無関心とはいわないまでも、軽く見ていた。小型家電メーカーの一部が――確かな根拠があるわけでもなく――好奇心から製品を扱うのがせいぜいだった。大多数のメーカーにとっては「自社が考え出した」同時プロジェクト――慎重に練り上げ、苦労してつくった経営計画の一部であるイノベーション――の方が、緊急かつエキサイティングに思えたのである。

これらの小型家電メーカーが、競合他社のイノベーションに対するアプローチについて、もっとしっかりした計画やプログラム、あるいは手順を設けていたら、電動歯ブラシのビジネスにもっと早く参入し、より多くの利益を得ていただろう。

セオドア・レビット『模倣戦略の優位性』
(1966年ハーバード・ビジネス・レビューより)

―― 引用ここまで ―――――――――

ではまた。

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