パリミキ是正勧告にみる気になる数字

このブログでも、消費税とその影響について、何度か記事にしてきました。

消費税転嫁対策特別措置法も、一定の効果があるようで、
4月23日には、エキナカ商業施設「エキュート」を運営している
(株)JR東日本ステーションリテイリングが
初勧告を受けてニュースになりました。

そして、今回のパリミキです。
ニュースをご覧になっていない方のために、引用します。

―― 引用ここから ―――――――――

「パリミキ」で知られる眼鏡チェーン店「三城」(東京都中央区)が、店舗の家賃の消費増税分を据え置くよう貸主に求めたとして、公正取引委員会は12日、据え置き分の支払いなどを同社に求める是正勧告をし、発表した。

公取委によると、三城は昨年10月、全国の店舗の貸主127人に対し、今年4月以降の増税分の上乗せをしないよう求める通知書を送った。
こうした行為は、消費税転嫁対策特別措置法違反(買いたたき)にあたるという。

据え置かれたことによる差額は月額計百数十万円。
三城によると、通知を送ったのは契約書に「消費税」の文言が入っていない貸主で、税表示のある契約者には増税分を支払っていた。

三城は、消費税の記載がないため、家賃を変更する必要がないと判断したと説明。
このような契約の貸主に対しては、前回1997年の消費増税の時も家賃を据え置かせていたという。
「違反の認識がなかった。勧告に従って据え置き分を支払い、契約も改定する」とコメントしている。

朝日新聞Digital『パリミキに公取委が是正勧告 賃料、増税分据え置き要求』より
http://www.asahi.com/articles/ASG6D56QBG6DUTIL035.html?iref=comtop_list_nat_n05

―― 引用ここまで ―――――――――

もう一紙。

―― 引用ここから ―――――――――

眼鏡販売店の「パリミキ」や「メガネの三城」を展開する三城(東京)が、一部の店舗の賃借料に消費増税分(3%)を上乗せしないよう貸主側に通知したとして、公正取引委員会は12日、消費税転嫁対策特別措置法に基づき、増税分の支払いや再発防止などを勧告した。

公取委によると、同社は昨年10月、店舗の賃貸借契約を結んでいる607事業者のうち、賃借料を消費税込みで契約していた37都府県の127事業者に対し、今年4月の増税後も賃借料を据え置くよう文書で通知した。
増税分は貸主側の負担となるため、公取委は同社の通知が、同法で禁じる大規模小売業者による消費税の転嫁拒否(買いたたき)にあたると認定した。

同社からの通知に応じなかった6事業者を除く121事業者の賃借料は、月額計約5000万円で、貸主側の増税分の負担は計約150万円に上るという。

YOMIURI ONLINE『増税分上乗せしないで…「パリミキ」店舗貸主に』より
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140612-OYT1T50122.html?from=ytop_ylist

―― 引用ここまで ―――――――――

と、いうことです。

記事を素直に受け取ると、一部上場の企業で、
「違反の認識がなかった」ということですから、
中小零細の認識たるや、といったところでしょう。

こういうニュースが出ることで、
消費税転嫁対策特別措置法の理解と認識が
浸透していくのかな、と思います。

さて、タイトルにも書いた、気になる数字、なのですが・・・

ずばり、
“同社からの通知に応じなかった6事業者を除く121事業者”
です。

この事例だけで判断するならば・・・
“消費税の転嫁拒否を通知すると、
95.3%の確率で泣き寝入りさせることができる”
ということになります。

別な言い方をすると、
“消費税の転嫁拒否に対して、NOといえるのは4.7%だけ”
ということです。

大手のバイイングパワーが強くても、
少なくとも20%くらいはNOといえるのでは? と、
個人的には思っていましたので、この数字には驚きました。

今回の転嫁拒否の是正勧告は、間違いなく氷山の一角でしょう。

そして、転嫁拒否でなくとも、
自ら、“消費税を転嫁しない”という判断を続けている
ビジネスオーナーもいらっしゃるのでは、ないでしょうか。

4月から2ヶ月が過ぎました。

消費増税による影響を感じるビジネス、感じないビジネス、
両方あることと思います。

是非、いちど消費増税後の影響については、
“利益”ベースで、影響を測ってみてください。

じわじわと影響がでているようならば、
早期に対策を打った方がよいでしょう。

対策については、過去の記事に書いているので、
そちらを参考になさってください。

消費税率引き上げとウォーターベッド効果
消費税率引き上げとウォーターベッド効果2
消費税率引き上げとウォーターベッド効果3
消費税率引き上げとウォーターベッド効果4
消費税率引き上げとウォーターベッド効果5
消費税率引き上げとウォーターベッド効果6

これで足りなければ、関連記事も参考になさってください。
それでもピンとこないならば専門家に相談なさってください。
(ウチでも、他のところでもよいので、どうぞお早目に)

長くなりましたので、まとめますと・・・

消費税を転嫁できていない・してないビジネスは、
“売上”ではなく“利益”の変化をチェックしてください。

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