新規開拓を考える際の顧客視点
久しぶりに新規開拓のことを書いてみたいと思います。
これまでお伝えしてきたこと、たとえば、
・ツーステップマーケティングを導入しましょう、とか、
・顧客知覚価値を考慮して、特に心理的コストの不利をリカバリしましょう、とか、
・あとは、素早くテストしましょう(行動しましょう)、とか、
新規開拓で大切なことは、ひととおりお伝えしたとは思います。
とはいえ、あれこれ戦略を練り、策を巡らせても、
なかなか成果がでない、ということはあると思います。
特によくあるのが、既存のお客様はこれでOKなのに、
新規のお客様がNG、という場合です。
その場合は、新規のお客様が購買するまでの、
プロセスを分解して、その場、その場で
何を見て、何を考えるか、
どこで離脱しているのか、
をチェックしていく必要があります。
よくある離脱原因は、Webに手を抜いていることです。
たとえば、あなたが、
・新聞や雑誌に広告を出したり、
・DMを送ったり
・チラシを配ったり
・クチコミを促進したり
したとします。
その(広義の意味での)広告を見た方は、どのような行動をとるでしょうか?
いま現在、日本に住む10歳以上70歳以下の消費者の行動は次の通りです。
①広告をみる
⇒②Webで調べる
⇒③よさそうなら広告の連絡先に連絡する
Webで調べる(②)のタイミングで、
・まったく関連性のない商品・サービスを扱っているサイトだったり、
・サイト自体が非常に陳腐だったり、更新されていなかったり、
・サイト自体が存在しなかったり、
という状況であった場合、
反応を得る(③)に進めることは難しいです。
Webをリアルの世界で置き換えて考えると、
店舗の住所に行ってみたら、
・名前は合っているけど、まったく違う店がある
・店先がまったく掃除されてない
・さら地になっている
これでは、お客様は怖くなり、入店することはありません。
ただし、これは新規のお客様だけが行う行動です。
あなたの商品・サービスに満足している既存のお客様は、
目立たないところの秘密の入り口の存在を知っていて、
入っても安全なことを理解しているからです。
ご自身が消費者の立場ならば納得いただけると思います。
たとえば、あなたが健康食品の通販広告をみて、
販売元の[ヘビートラスト]っていう怪しい名前を検索してみたら、
うちのサイトにたどり着いた、としたら、
なんだか不安で買わないですよね。
そして、ただでさえ、中小零細・個人事業主は、
信頼度が低いのがネックです。
しょせんWebサイトは広告媒体のひとつですが、
この信頼度の向上という点では、Webサイトは他の広告媒体よりも
かなり有効です。
先日、あるマーケターの方から面白いハナシを聞きました。
その方が、ビジネス・ローンを組もうとした際、
記入書類に、「貴社ホームページURL」という項目があったそうです。
「いや、ホームページは持っていないのですが・・」と答えたところ、
担当者の方から「では登記簿謄本を取らせていただきます」とのこと。
つまり、ホームページがあれば登記簿謄本のチェックは不要ということです。
ホームページの方が、登記簿謄本よりも信頼度が上、という
驚くべき時代になったものだ、という話でした。
つまり、私がいいたいことは、
売り手が考えるよりも、買い手はWebサイトを重視していますよ
ということです。
スマートフォンが浸透する前ならばいざ知らず、
ポケットの中からインターネットに繋がる現代では、
Web対策を”手抜き”をするのは代償が大きいです。
あなたのことをよく知らない見込み客の方が、
あなたのことをネットで調べたとしたら・・・、
果たして、どのような情報が出てきて、
見込み客の方は、どのように思うでしょうか?