この「売り方の工夫」の問題点がわかりますか?

私ごとなのですが、先日、いい歳して道端で転倒して、
メガネを壊しました・・。

直せば使えそうですが、そこそこ激しいキズを
つけてしまったので、新調することにしました。

新調すると思ったとたん、どのようなメガネにするか
気になりだします。

とりあえずネットで最近はどんなメガネがあるのかなぁ
なんて調べてみました。

すると、メガネも店頭で買うより、相当安いではありませんか。
さすがネット通販。

「ずいぶん安いなぁ」と思いましたが、ついにネットでメガネを買う気にはならず、
実際に近くの店舗で買いました。

これ、なぜだと思いますか?

「同じものが手に入るならば、安い方がよい」

例えば、新品の本とか、CDとか、家電とか、
化粧品とか、生活雑貨、消耗品とか・・
ネット通販で一般的に上手くいっているし、
競争も激しいものは、型番などのレベルで
“同じモノ”が多いです。

もちろん、私もこの価値観を持っています。
「同じものが手に入るならば、安い方がよい」です。

視力矯正されたメガネが出来上がってしまえば、
フレームは型番さえ同じならば、どれも同じですから・・。

ところが、ネットでメガネを買う気はゼロでした。
「本当に大丈夫なの?」と調べることすらしませんでした。

なぜなら・・・

ヒトコトでいうと、ネットでメガネが買える、ということ自体が
「信じられないから」です。

以前、「最高の商品をボツにしました」という記事で、
きっちり差別化できた新しい商品・サービスは、
ある意味で“ひねり”が効きすぎてしまって、
お客様を“おいてけぼり”にしてしまう、
ということを書きました。

あれは、商品・サービスそのものの“革新性”を
お客様が信じられない、ということなのです。

それと似たことになりますが、今回の例は、
商品・サービスは信じられても、
(実際に、メガネを利用しているワケでして)
その“売り方”(および“納め方”)の方が信じられない、
ということです。

視力矯正とかって、どうするの? とか、
鼻とか耳とかのフィッティングはどうするの? とか、
壊れたり歪んだトキはどうするの? とか・・・

もうなんだか面倒くさいし、トラブルに巻き込まれるのは嫌だ、
と思われてしまったら、そこでオシマイです。

実店舗ならば、あっさり「ご来店ください」で済むことですが、
調整が入るような商品でのネット通販では、そうはいきません。

そんなワケで、もしネットでメガネを売るのだとしたら、
まず最初にするのは、
「メガネがネットで買えるワケがないとお考えですか?
まず、最初に当店自慢の3つの安心サービスの説明をご覧になってください。
きっと、他のお客様と同様、あなたにも、納得し、安心していただけることでしょう」
といった“買わない理由を打ち消す”案内でしょう。

きっと、わたしが閲覧したWebのメガネ屋さんも、
どこかに書いてあったのかもしれません。

しかし、お客様に探させるようでは、その前にお客様は逃げます。
大切なことは、目立つところに載せておかないと。

もちろん、これはメガネ店特有のハナシではなく、
ネット通販特有のケースでもありません。
“売り方の工夫”全般にいえることです。

誤解がないように書いておきますと・・・

“売り方の工夫”自体は、すばらしいものです。
ガンガン他業種から取り入れて、チャレンジしてみるべきです。

ただ、そのアイデアが、
あなたの商品ジャンルのなかで“革新的”であればあるほど、
お客様が信じられなくなる、という“落とし穴”が生まれ始めます。

そこは、十分にケアしましょう、ということです。

あなたの“売り方の工夫”は、お客様に信じてもらえているでしょうか?

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