実戦:売上を2倍にするプロセスの組み立て方
「来月の売上は、とりあえず今月の2倍にしましょう」といったら、
あなたは、どう思いますか?
「お客様の数を2倍にするのは絶対にムリ」と思ったならば、
今日のハナシは重要です。
なぜなら、あなたのアタマの中では、
“売上をあげる=客数を増やす”という
自虐的な数式が刷りこまれているからです。
まず、売上というのは、一般的に
“客数 × 客単価”の数式で表せられます。
ジェイ・エイブラハムという米国のマーケターは、
これを発展させて、
“客数 × 客単価 × リピート率”という
数式を提唱しています。
佐藤義典という日本のマーケターは、
より実戦的に、売上5原則を提唱しています。
1)新規顧客を増やす
2)流出顧客を減らす
3)購買頻度を上げる
4)購買点数を増やす
5)一点あたり単価を上げる
これら、どの考えを採用するのも結構ですが、
すべての根幹にある、考え方のキモは、
“掛け算だから、どの項目を増やしても効果は同じ”
ということです。
具体的には・・・
“売上をあげる=客数を増やす”で考えるならば、
売上を2倍にするためには、客数を2倍(改善率100%)にしなければなりません。
“客数 × 客単価”で考えるならば、
売上を2倍にするためには、それぞれを約1.42倍(42%改善)すれば達成できます。
“客数 × 客単価 × リピート率”で考えるならば、
売上を2倍にするためには、それぞれを約1.26倍(26%改善)すれば達成できます。
売上5原則で考えるならば、
売上を2倍にするためには、それぞれを約1.15倍(15%改善)すれば達成できます。
どれが最も達成できそうかは、あえて述べるまでもないでしょう。
さて、では実際に「2倍にできそうだ」と思ったあなたに
本気で実戦的なアドバイスです。
あなたのカラダはひとつです。
では、どこから手をつけていきますか?
よくある間違い①
結局、新規顧客の獲得にチカラを入れる。
よくある間違い②
全部同時にやろうとする。
よくある間違い③
弱いトコロから改善していく。
長くなるので理由は割愛しますが、
この記事を最後まで読めば納得いただけることでしょう。
正しい順番は・・・
「利益が増えるところから始める」です。
当たり前ですが、利益が出れば、
次の改善をするための費用をねん出できます。
反対に利益が出なければ、改善自体も
「そんな予算はない」と、息切れしてしまいます。
では、利益が増えやすいとはどういうことでしょうか?
“利益=売上-費用”です。
さて、改善によってどれだけの売上が見込めるかは、
やってみなければわかりません。
反対に費用は完全コントロールできます。
だから・・・
「費用がかからないところから手をつける」
というのが正解です。
私の中では、どの順番がよいという経験則がありますが、
あなたのビジネスに合致するかはわかりません。
とはいえ、大原則として・・
新規顧客に販売するのは、既存客に販売するのの5倍以上コストが
かかる、といわれています。(1:5の法則)
ですから、客数を増やす(特に新規顧客を増やす)のは、
1番最後になります。
たとえば、分かりやすい例として、
あなたが100円ショップのオーナーだとします。
1人のお客様が来店したら、100円しか買ってくれない状態のお店に、
広告を出してお客様を呼び込むのと、
1人のお客様が来店したら、150円買ってもらえるように店内を改善してから、
広告を出してお客様を呼び込むのと、
あなたは、どちらを選びますか?
前者と後者を比べてかかる広告費は同じです。
でも、後者は売上ベースで1.5倍です。