どこで顧客の興味を見つけますか?
今日は、お客様が、商品・サービスがもたらすであろうと期待する価値=ベネフィットについて考えていきたいと思います。
いくつか、わたしがマーケターとして、
クライアントにも禁じていることがあります。
それは・・
商品・サービスを、そのままの価値でアピールすることです。
たとえば、あなたの扱っているのがダイエット商品だと仮定して、
「これを使えば、ダイエットができます」というのは、
まったく捻りがありません。
いまの時期だとしたら、
「これを使えば、二の腕を気にせず、好きなオシャレを楽しめます」とか、
「これを使えば、お腹まわりを気にせず、堂々と子供をプールに連れて行けます」とか、
なんで、それ(上記例だとダイエット)が欲しいのか? (=ベネフィット) を考えて、
それを訴えるのが効果的だからです。
「いや、ウチは、ストレートに、“ダイエットができます”といいたい」という気持ちもわかりますが、
その自分の意見を採用する代償は、「その他大勢のダイエットができる商品・サービスと
同一視されて構わない。同じだから価格で選んでほしい」と同等の印象を顧客に持たれることです。
少なくとも、私のクライアントと、私は、そのように顧客に思われるのは、避けたいと思っています。
さて、では、
・お客様が、あなたの商品・サービスを欲しがる理由は何なのでしょうか?
・お客様が、あなたの商品・サービスに期待する価値は何なのでしょうか?
・つまり、お客様が、あなたの商品・サービスで得るベネフィットは何?
この質問をすると、たいていのビジネスオーナーは、うまく答えられません。
実は、それも、そのはずなのです。
なぜなら、ここでは“お客様”とヒトククリにして、質問していますが、
実際の“お客様”は、ひとりひとり、別な欲求をもって、
商品・サービスを求めているため、ベネフィットも、人それぞれになるからです。
先ほどの例では・・
「これを使えば、二の腕を気にせず、好きなオシャレを楽しめます」
こう訴求するとしたら、伝える相手は女性だな、と予想できると思います。
「これを使えば、お腹まわりを気にせず、堂々と子供をプールに連れて行けます」
こう訴求するとしたら、伝える相手は小学生以下の子持ち(さらに男性)だな、と予想できると思います。
これを、無理やりヒトククリにすると・・・
「これを使えば、二の腕もお腹まわりを気にせず、オシャレを楽しんだ上で、堂々と子供をプールに連れて行けます」
といった感じに、反応したくても、反応しづらいメッセージが出来上がります。
ですから、ベネフィットを考えるには、
まず「メッセージを伝える相手(ターゲット)を絞りましょう」
ということになります。
(ここまでは、いつも言っていることです)
前置きが長くなりましたが、今日の本題は、ここからです。
仮にメッセージを伝える相手(ターゲット)が絞れたとします。
そうしたら、次は、その方の興味を知らなくてはなりません。
今日のダイエットの例だと、
・好きな服を着たい(けど、二の腕の露出が気になって、できない)
・子供をプールに連れていかなくてはならない(けど、腹が気になって人前で水着になりたくない)
ということです。
この“興味”については、
注意していれば、実際のお客様のナマの声から“気付く”こともありますし、
自発的に集めてくることもできます。
そして、今日のお持ち帰りは、自発的に集める方法です。
結論からいうと、
メッセージを伝える相手(ターゲット)が目にするものから、
ヒントを得てください。
たとえば、私ならば、主にビジネスオーナー=経営者を相手にしていて、
クライアントも同様に経営者相手のビジネスをしている方が多いので、
間接競合、すなわち同様に経営者相手に商売をしている
雑誌や出版社や協会の案内からの、
出版物・刊行物・イベントをチェックします。
すると、そこには、ターゲットの興味が透けて見えます。
具体例として、たとえば先日届いたDMでは、
「経営者に最後に必要なのは人徳。人徳で社員を引っ張る経営者に」
みたいな内容の新刊書籍の案内がされていたのですが・・
ここから透けるのは、
「経営者には、自身の人徳が不完全だと思っていて、
それを補いたいと思っている人もいる」
ということです。
これがわかれば、あとは味付けです。
「社長、自分には人徳がないと密かに悩んでいませんか?
しかし、その悩みは、ただの誤解です。
あなたには人徳があります。
ただ、人徳のアピールの仕方を知らないだけです。
この○○○を使えば、効果的に人徳を醸成することができて・・・」
といった具合です。
勘のよい方はお気づきかと思いますが、
“この○○○”のところには、ダイエット法でも、ファッションでも、ヘアスタイルの選び方でも、
はたまた、語りかけ方でも、プレゼントの選び方でも、雑学の披露の仕方でも、
結構、多くのものが当てはめることができるワケです。
お客様の興味の見つけ方のヒントになれば幸いです。