リスク・リバーサルが失敗する原因

引き続き、信頼について。
今日取り上げるのはリスク・リバーサルです。

まずリスク・リバーサルが何かと説明しますと、
ひとことでいえば、売り手が買い手にする“保証”です。

買い手は、購入を決断する際には、様々なリスク(不確実性)を、
感じます。
そのリスクを、買い手に負わせるのではなくて、売り手が負うことで、
買い手側からリスクを取り除くことをいいます。

分かりやすいところでは、
「出来たてアツアツのピザを30分以内にお届けします。遅れたら料金はいただきません」
とかです。
これは、出来たてアツアツのピザを届けることの具体的(30分)な保証です。

よく目にするものとしては、テレビ通販などの、
「ご満足いただけなければ全額返金いたします」
もリスク・リバーサルです。

あとは、見落としがちですが、家電を買うとだいたい付いている
「製品保証1年間」
もリスク・リバーサルです。
この場合、買い手から取り除いているリスクは、
「買ったものが不良品で、すぐに壊れてしまったらどうしよう」です。

リスク・リバーサルについて、
なんとなくご理解いただけたでしょうか?

さて、ユニークな保証は、それ自体が「独自のウリ」になります。
(さらっと書きましたが、これはカナリ重要な点です。
ご自身のビジネスを差別化したい方は、上記を3回音読してください)
大胆な保証は、商品・サービスへの自信の表れとして、
品質の良さをアピールすることにも繋がります。

「ご満足いただける絶対的な自信があります。
ですから、もしご満足いただけなければ、
全額返金の上、さらに迷惑料としてさらに全額をお支払します。
つまり、2倍返金保証です」
といった具合です。

とはいえ・・・

どれだけ強力な保証をしても、それが効果を出さないときがあります。
それは「売り手の言葉が、そもそも信用できないとき」です。

売り手「この商品はとてもいいですよ」
買い手「うそだー(きっと誇大広告だ)」
これは、商品・サービスへの疑いですから、リスク・リバーサルの出番です。

売り手「その証拠に、全額返金保証しますよ」
買い手「うそだー(実際には返金されないんじゃないか)」
これは、売り手への疑いですから、リスク・リバーサルでは取り除けません。

ならば、どうするか?

やっている方はあまりいませんが、
ここでとても効果的なのは、
「実際に返金を申請して、返金に応じたお客様の声を掲載する」ことです。

たとえばこんな文面で。

“私どもは商品・サービスに絶対的な自信をもっており、
すべてのお客様にご満足いただけるよう日々努めております。
しかしながら、お客様の状態というのは千差万別ですから、
どうしてもご満足いただけないお客様はいらっしゃいます。

そのようなお客様へ決して失礼のないよう、私どもは、
ご満足いただけけなかったお客様へもサービスを
怠ることはございません。
ここでは、実際に私しどのもサービスにご満足いただけなかった
お客様の声をご紹介させていただきます。“

“○○社の△△サービスを利用しましたが、残念ながら私には合わなかったようです。
 最初はちゃんと返金してもらえるか不安でしたが、
煩わしい手続きなどもなく、ご連絡したらすぐに返金対応を
していただけました。
ご担当の方の対応もとても丁寧でした。
 今回は残念でしたが、またの機会にもお願いしたいです。
 ○○社さんになら安心してお任せすることができますから。“

こうすれば、
「あ、ちゃんと返金してくれるんだ。だったら・・」と、
本来の保証のチカラを引きだすことができます。

もちろん、お客様の声のねつ造はダメです。
そして、実際に返金請求があったことがない、のだとしたら、

“実際に私どもが返金に応じる証拠として、
返金に応じたお客様の声をご紹介したいのですが、
残念ながら(幸いながら)、これまで返金申請を
いただいたことはありません。“
と、素直に書くのもよいでしょう。

つまり、なにがいいたいのかというと、

商品やサービスの信頼の手前に、
売り手(あなたや私)への信頼の土台を築く必要がある、
ということです。

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