ロックバンドとマーケティング

私は趣味として音楽はロックしか聞きません。
ロックといっても、特にヘヴィーメタルといわれるジャンルです。
その音楽の定義について語りだすとカナリ長くなるので、
この記事上は(不本意ながら)ロックという一般的な単語で括ります。

さて、今日は、そんなロックな少年たちからマーケティングを学んでみます。

ロックバンドとしてデビューをするような若者たち(主に海外のハナシをしています)は、
元々は、いちロックファンです。

自分たちがロックにロックスターに憧れ、その音楽を複製し、自分のものにしていきます。
この結果、デビュー当時は、
「○○の影響を強く受けている」とか
「○○のフォロワー」とか
「○○タイプの後継者」とか評されます。
口が悪い評論家には、
「○○の劣化コピー」とも・・。

さて、そんな彼らをロックファンは
「待ってました」と支持します。

なぜか?

先人にあたるロックスターたちは、
自分達の確立し、かつファンに支持されたスタイルを捨てて、
新しい境地を目指しています。
しかし、その活動自体をファンは快く思ってはいません。

ですから、オリジナルのロックスターたちが捨てた
スタイルを復刻させた若者たちを歓迎するのです。

とはいえ、そんな若く新しく生まれたロックスターも、
数年経つと、これまでのスタイルを捨てて迷走し出します。

これまでやってきたことが幼稚に感じるのか、
ワンパターンと言われるのに耐えられないのか、
飽きられることへの恐怖なのかは
わかりません。

ただ、これまでとは異なる路線に変更し、
レコード会社は“新境地”と煽りますが、
ファンからすると“期待外れ”、“終わった”と
評されることになります。

そうして、その頃になると、
先人にあたるオリジナルのロックスター達は、
“原点回帰”の名のもとに、
自分達が人気を博したスタイルに戻ってきます。
しかし当時の面影や勢いはなく、
“ご本人が、劣化コピーの劣化コピーになり下がる”と
評されることに・・。

なんとなく、このサイクルをご理解いただけるでしょうか?

このサイクルと似たようなことは、様々な分野で起きています。
たとえば、日本のお笑い業界も、似たサイクルが働いています。

この問題を、マーケティングの視点で考えてみると、
「顧客(ファン)の求めるものは、なにか?」というリサーチと、
それにどのレベルで応えていくか、という問題に集約されます。

もちろんこの顧客(ファン)というのは、判を押したように
同じではありません。
あるファンが、「もう飽きた」と思っていたとしても、
あるファンは、「もっと続けてほしい」と思っています。

誰の意見を尊重するのが正解なのでしょうか?

ビジネスでいえば、
「支持するファンがいる限り、それは続ける」のが正解です。

そして、新しいものを求めるファンがいるならば、
「そのファン向けにも新テイストを取り入れてみる」です。

一時は成功したマーケティングや広告も、
同じことを繰り返していたら、
いつかは反応が取れなくなります。
ファンの方が飽きるからです。

ただ、傾向としては、ファンが飽きるよりも前に、
提供する側(売り手)の方が、先に飽きてしまいがちです。

あなたのマーケティングや広告が、
現在もある程度は上手くいっているのだとしたら、
あなたの気持ちは、他所に置いて、
黙って続けてみましょう。

反応がある、ということは、
ファンの支持があるということです。

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