サービスを道具で武装せよ

そもそもIT化の流れを歴史的にみていくと、ただ単に情報システム化するのではなく、
その背後には、戦略的な取り組みがありました。
SIS(Strategic Information System:戦略的情報システム)なんて言葉もありました。

最近では、手元のパソコンで、かなりたくさんのことができるようになりました。

ただ、この便利になって、誰でも利用するようになればなるほど、
戦略的という視点は減っているように感じます。

そんなことを意識しながら今日の章をお読みください。

―― 引用ここから ―――――――――

サービスを道具で武装せよ

気付いている人は少ないが、人間に依存するサービスという問題に、製造の発想を応用して解決している例は多くある。例を示そう。

投資信託会社は、一回の顧客訪問で、すべての販売を済ませている。有望銘柄についての推奨や相談も一回で済ませる。たくさんの書類を作成することもなく、一枚の説明書で済ませている。同じことを顧客が行おうとすると、何度も混乱して、時には誤った株を選択してしまうが、専門家であれば一回の銘柄選択で済む。

クレジット・カードは、銀行からの借り入れの際、一回信用状態をチェックする(最初にカードを発行する)だけだ。銀行借り入れにつきまとう、手間がかかって、コストの高い人間に依存する多くの仕事を省いている。

スーパーマーケットの素早くムダのないセルフ・サービスは、昔ながらの小売店ののろのろした、ムダの多い、時には店員の気分に左右されるサービスに取って代わった。

これらはいずれも、技術的方法、つまり製造プロセスに用いられる方法が、人間の力と判断が必要と考えられていたものへと代替した例である。こうした方法を取れば、人間に依存したサービスが起こしてきた顧客との摩擦を和らげたり、解消したりできるようになるだろう。

セオドア・レビット『サービス・マニュファクチャリング』
(1972年ハーバード・ビジネス・レビューより)

―― 引用ここまで ―――――――――

まぁ、全体としてはIT屋が考えるべき課題ですね。

ではまた。

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