高齢社会とシニアマーケティングと経営戦略2

さて昨日はシニアを狙うならば慎重にということを書きました。
今日は少し実践面をフォローしたいと思います。

「これからはシニア層だ、シニアを狙え」ということは誰でも言えます。
ですが、そのほとんどは、次の一手で詰ります。
つまり「ではシニア層を狙うとして、具体的にどうする?」への解が見つけられません。

あなたならば、どう考えて、どんな解を導き出しますか?
今日は、これを一緒に考えて行きましょう。

(ちなみに、自分にはシニア層なんては関係ない、と思われた方は少し切り替えてください。
考え方というものは汎用的なものです。
“シニア層”を“働く女性”や“受験生”とかに置き換えても応用できます)

では、はじめましょう。

まず、狙うシニア層(ターゲット)がどこに“生息”するかを把握する必要があります。

魚が欲しいのに、山の中へ入るヒトはいません。
また山菜を採るのに、海に行くヒトはいません。

では、シニア層を狙いたければ、どこに行きますか?

魚で考えればイメージし易いものもあります。

A.“魚を釣る”ならば、川か海に行けば、泳いではいます。
B.“魚を買う”ならば、スーパーか鮮魚店、魚市場に行けば、売っています。

この応用で、次のように発想してみましょう。

A.ターゲット層が集まっている場所は、どこか?
(→出店や広告を出すことで効果が得られます)
B.すでにターゲット層を集めているひとはいないか?
(→その方と提携・紹介広告を促進することで効果が得られます)

さて、あなたの頭に浮かんだ場所やひとは何でしょう?

・老人ホーム
・巣鴨
・病院

そこに、あなたの狙ったシニア層の方は生息してそうでしょうか?

ここで注意いただきたいのが、そもそもシニア層などという顧客は存在しないという事実です。

第二の人生で起業しようとしている65歳男性と、
連れ添った夫に先立たれて第二の人生を謳歌しようと趣味に没頭する65歳女性は、
同じ年齢でも、完全に、まったく別のターゲットです。

ですから、ここでもう1段階、ターゲットを掘り下げてください。
そのためのヒントです。

“○○にご興味のある△歳の方へ”
“○○に悩まれている△歳の方へ”
“○○なんて信じないという△歳のアナタ”

このような呼びかけの穴埋めを考えることで、ターゲット像を鮮明にしてみてください。

余談ですが、“シニアの方へ”という呼びかけはおススメしません。
実際のシニアと呼ばれる方々は、自らがシニアと呼ばれることを快く思ってはいません。

少し、さきほどよりターゲットが鮮明になったでしょうか?
では、もう一度、さきほどの質問です。
A.ターゲット層が集まっている場所は、どこか?
B.すでにターゲット層を集めているひとはいないか?

・フィットネスジム
・シルバー人材センター
・ハローワークの職業訓練校

恐らく、より具体的な“生息場所”をイメージ出来たことと思います。

もし、どうもよくわからない、というのであれば、
それはリサーチ不足です。

ターゲットのモデルとなるような1人の方をつかまえて、
その方の1週間を追跡聞きとり調査をしてください。
意外な場所に立ち寄っていることに気付くことでしょう。

さて、ここでチェックポイントです。

もしこの発想をしてなお、ターゲットの生息場所が分からないのだとしたら・・
それは“手を出すべきではない”のかもしれません。

そういうターゲットは、そもそも存在しないかもしれません。
もしくは、そういうターゲットが存在したとしても、少数なのかもしれません。
もしくは、そういうターゲットが存在して人数がいたとしても、そういう見込み客を集めるために多大な労力がかかるかもしれません。

そして更に、ターゲットの生息場所が分かったとしても・・
その生息場所でアプローチする方法が見つからないければ、
それも“手を出すべきではない”のかもしれません。

例えば・・・
“元商社勤めで海外赴任経験が長く、外国人の方と英語で商談することに抵抗のまったくない65歳から70歳の、まだまだ働きたい男性“をターゲットとした場合・・、
商社が保存するOB名簿と職務経歴をみれば、その情報を得ることはできます。
しかし、その情報にあなたがアクセスできるか、といえば・・・というケースです。

ですが、この場所はあるけれどアプローチする方法がない、という場合は、
粘ってみる価値はあります。

たとえば、ある“場所”でのアプローチが出来なかったとしても、
その“場所の建物の外”でのアプローチは出来ないか考えてみるとかです。

最後に、上手い場所とアプローチ方法を確立できたとした場合、
どのような良いコトがあるのかについて述べておきます。

ユニークな集客手段を持つビジネスは、
それ自体で、差別化したユニークなビジネスになれます。

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