高齢社会とシニアマーケティングと経営戦略3

引き続き、シニアマーケティングについて。

昨日は、シニアを狙うにも、シニア層とひと括りにせず、きっちりと
ターゲッティングする必要がある、と書きました。
今日はその補足です。

たとえば、こういうターゲット像を描いたとします。

“一戸建てに住む団塊夫婦、90近い母との3人暮らし。
夫は長年務めた会社を数年前に定年退職。
子供2人は、結婚・独立し、ときどき孫を連れて遊びに来る。
母の世話があるので、あまり遠出はできない。
健康志向が強く、安い外国産食材は敬遠する傾向がある“

さて、ここからがシニアマーケティングの最大の魅力なのですが・・

このように、家族構成をベースにセグメンテーションして、
ターゲットを絞ったとしても、
「矢が刺さりやすいうえに、的も大きい」というメリットがあることです。

少し解説します。

ターゲットを絞る本当の理由は、「これは、私のためのモノだ」と
思ってもらうことにあります。

具体的にやってみましょう。
あなたのビジネスが“食材の通販”だと仮定します。

“シニア層向けの食材通販です。”

というのと、
“65歳以上、母と夫との3人暮らし、健康と食の安全に拘る主婦のための食材通販です”

というのと、
どちらがターゲットに刺さりやすいでしょうか?

このようにターゲットを絞れば絞るほど、刺さりやすいモノができます。
(モノ、という言葉は、商品・サービス・コンセプト・メッセージ等に置き換えてください)

かといって、絞りすぎると、そのターゲットとする絶対数が小さくなります。
小さくなりすぎると、ビジネスとして成立させるのが難しくなります。

ここで、シニア層の人数の多さが効いてきます。

“65歳以上、母と夫との3人暮らし、健康と食の安全に拘る主婦のための食材通販です”
このコンセンプトに共感する主婦の方の人数がどれだけいるでしょうか?
具体的な数字は述べられませんが、
“30代、夫と子2人の4人暮らし、健康と食の安全に拘る主婦のための食材通販です”
よりは、はるかに多いことでしょう。

ですから、同じ“市場シェア1%”でも、そのボリュームは大きく異なってきます。

加えて、同じ状況・境遇のひと同士は、親しくなるものです。
クチコミ・紹介も生まれやすければ、もっと積極的に、
“お友達ご夫婦と一緒で、どちらも○割OFF”などという
キャンペーンを打つこともできるでしょう。

シニア層を狙うならば、ターゲットをきっちりきっちり絞りましょう。
それをしても、マーケットが小さくならないのがシニア層の魅力です。

\ 最新情報をチェック /