“いろいろなお客様がいる”ビジネスがターゲッティングできない理由
広い意味でサービス業の方、
もっというと、お客様によってサービス内容をカスタマイズできる方、
さらにいえば、“いろいろなお客様がいる”ビジネスをされている方は、
今日の記事を何度か読んでみてください。
「誰に、何を売るのか? まず先に“誰に”を考えましょう」
ということは、無料メール講座でもお話していることです。
これは、言い換えれば、
ターゲットを明確にしましょう、
ということになります。
わかっていますが、なかなかできない。
正直言うと、わたし自身も自分のビジネスでは苦手。
これがターゲッティングです。
例を挙げます。
・・・ある方が運送業を営んでいるとします。
この方に、「どんなビジネスをしているのですか?」と問えば、
「運送業をしています。
お客様が指定する場所に荷物等を運んで、運賃を頂戴するビジネスです」
というような回答がきます。
なにも、問題がないように思えます。
では、質問を変えて、「どんな方がお客様ですか?」と問えば、
「いろいろです」
というような回答がきます。
さらに、「お客様に共通することは何ですか?」と問えば、
「荷物を運びたい、ということです」
というような回答がきます。
だんだんと、イマイチな回答になってきます。
しかし、これは“極めてよくある”ことです。
この方の言い分は、
「おカネを払ってくれるのだったら、どこへだって運ぶ」
ということです。
典型的な、“いろいろなお客様がいる”ビジネスです。
これをあなたのビジネスに置き換えてみてください。
クリーニング業でも、
コンサルティング業でも、
○○仲介業でも、
「ご依頼があれば、それにお応えします」というようなビジネスならば、
“いろいろなお客様がいる”ビジネスの罠にハマる危険性があります。
以前も書きましたが、ビジネスの機能を、
“納品(製造含む)”と、“販売(集客含む)”とに
分けて考える必要があります。
これに照らしていうと、
“いろいろなお客様がいる”というのは、
“納品(製造含む)”の視点でしか、
見ていないことになります。
あなたに、それが提供可能だから、それを売る、
というのは決して間違っていません。
ですが、あなたに、それが提供可能だから、
すべてをアピールするのは、確実に間違いです。
「なんでも出来ると言うのは、なにも出来ないと言うのと同じこと」
まさに、この言葉のとおりです。
では、どうすればよいのか?
ここで、“販売(集客含む)”の視点で、
ビジネス自体を尖らせていかなければならないのです。
例えば、運送業ならば、
「うちは、単身の引越し専門です」
というようにビジネス領域を絞ることはできます。
・運送業
・引越し業
・単身専門の引越し業
あなたが単身で引越しをするなら、
誰に依頼するでしょうか?
クリーニング業ならば、
「うちは、ビジネススーツ専門です」
というようにビジネス領域を絞ることはできます。
・コインランドリー
・クリーニング店
・ビジネススーツ専門のクリーニング店
あなたがスーツのクリーニングをするなら、
どの選択肢を選ぶでしょうか?
この尖らせる際に考えるのがターゲッティングです。
なぜ、ターゲッティングをするのが難しいのか、
それは、自分のビジネスについては思い入れがあるので、
“納品(製造含む)”の視点を忘れることができないからです。
あれも、これも出来るのに、
それを敢て取りこぼす発想をするのは
つらいことです。
そして、なぜ、マーケティングの専門家を雇い入れると
ビジネスが伸びるかというと、
“納品(製造含む)”に思い入れがない状態で、
“販売(集客含む)”だけを考えるからです。
ここで朗報。
ビジネスを絞ることで取りこぼす恐怖はありますが、
それは、あくまで、“販売(集客含む)の視点”であることを忘れないでください。
いちどお客様を捕まえることができれば、
“納品(製造含む)の視点”に戻って、
“既存客向けに”いろいろと提供できるものの発想は広がります。
例えば、単身専門の引越し業ならば、
(リピートを視野に) カップル割とかを設けて、
2人分の引っ越し用メニューを案内できます。
また、運送から片足を出してチャンスを探すならば、
単身向けの家具・家電のレンタル事業もはじめることもできます。
自身で手掛けなくても、リース業の方と戦略的提携もできます。
ビジネススーツ専門のクリーニング業ならば、
サービスの特性(ウールで型崩れさせない)の“印象”を活用し、
“ビジネススーツ専門クリーニング品質のニット洗い”
というメニューを作ることが出来ます。
(もちろん、フツーのクリーニング店より高い単価を取りやすくなります)
※繰り返しになりますが、いずれも既存客に案内するメニューです。
というわけで、
アナタのビジネスも、
“納品(製造含む)”と、“販売(集客含む)”とを
きっちり分けて考えましょう。
そのうえで、“販売(集客含む)”の視点で考える際には、
きっちりターゲッティングをしましょう。
コツは、“販売(集客含む)”を考える際には、
“納品(製造含む)”のことは一旦忘れることです。
自分では、どうしても難しいようであれば、
専門家に意見を聞くか、専門家に丸投げするのがお薦めです。