将棋の格言でビジネスを見直す3
将棋もビジネスも戦略がモノを言います。
で、あれば、将棋の格言から、ビジネスへの学びは得やすいハズです。
というわけで、将棋の格言でビジネスを見直してみましょう。
今回は第3弾。
■ヘボ将棋玉より飛車を可愛がる (へぼしょうぎぎょくよりひしゃをかわいがる)
解説はWikipediaを引用しますと、
“いくら飛車が強力な駒であっても、玉が取られては勝負が終わってしまうので、玉を王手から防ぐことが必要で飛車を取られることは諦めなければならないこと。”
ということです。
将棋は、玉(=王将、玉将)を取るか、取られるかのゲームです。
(実際には、取られるのが不可避な状態(=詰み)でゲームは終了)
ですから、将棋の本質は、
・相手玉を詰ますまで、自玉を守りきること
もしくは、
・自玉が詰まされる前に、相手玉を詰ますこと
となります。
(同じことを、別な角度から言っているだけです)
ですから、どれだけ高性能で強力は飛車でも、
飛車を守ることで玉がピンチになるような事態は避けなければ
なりません。
これをビジネスに応用するには、ちょっと嫌なことを考える必要があります。
すなわち、あなたのビジネスにとって、優先すべきはなにか、
について、きちんと考えて、それを守る必要が出てくるのです。
例を挙げます。
―――
“格好は良いけど、儲かっていない社長”と、
“格好は悪いけど、儲かっている社長”と、
どちらになりたいですか?
―――
これは、実際に私がある方から問われて、ドキッとした質問です。
もちろん、格好が良くて、儲かるのが一番よいのは言うまでもありません。
ですが、その両方を両立できないのだとしたら、
儲けるためには、(自分が)格好悪いと思うこともしなければならない。
もしくは、
(自分が)格好をつけることで失う儲けがあるならば、それは諦めなければならない。
ということです。
何を分かりきったことを、と思うかもしれませんが、
これは意外と深いところに問題があります。
ルールが明確な将棋においても、玉より飛車を可愛がるのです。
あなたのビジネスのルールが、格好よさよりも儲けが優先だったとしても、
格好よさを選んでしまうことは必ずあります。
もう一例を挙げます。
―――
“地味だけど、必ず効果があるマーケティング施策”と、
“効果は不明だけど、流行りのマーケティング施策”と、
どちらを行いますか?
―――
“マーケティング施策”を、“ダイエット方法”と置換しても
面白いと思います。
“ヘボ将棋玉より飛車を可愛がる“は、
ヒトは論理的ではない判断を感情でしてしまう、という教訓なのです。