戦略あっての戦術です。

戦略あっての戦術です。

今日は、予告通りマーケティング戦術、つまり具体的な打ち手、マーケティングミックスの4Pについて書こうと思います。

まずは、前提として、そもそもフレームワークとしての4Pの説明です。

昨日に引き続き、グロービス・マネジメント・スクールのMBA用語集から引用します。

----- 引用ここから ------------------------------

4Pとは、マーケティング戦略の立案・実行プロセスの1つである、マーケティング・ミックスにおいてコントロールできる主な要素。

製品 (Product)、価格(Price)、流通(Place)、コミュニケーション(Promotion)の頭文字を取って4Pと呼ばれる。

マーケティング戦略の立案・実行のプロセスは、大きく6つのステップからなる。

1)マーケティング環境分析と市場機会の発見
2)セグメンテーション(市場細分化)
3)ターゲティング(市場の絞り込み)
4)ポジショニング
5)マーケティング・ミックス(4P)
6)マーケティング戦略の実行と評価

市場におけるチャンスを発見し、顧客を絞り込み、競合よりも魅力的な製品・サービスを作り上げた次のステップが、マーケティング・ミックスである。

製品・ サービスの価値を損なうことなく顧客に伝えることが求められる。

そのために必要な要素が、製品(Product)、価格(Price)、流通 (Place)、コミュニケーション(Promotion)となる。

4Pを考える際には、個別に考えるのではなく、それぞれのPの整合性を図ることが重要である。

例えば、高品質のワインを高価格で販売するために、ディスカウントストアを使用しても、狙ったセグメントには到達できず、整合性がとれているとは言い難い。

また、これら4Pとセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの一貫性も重要である。先ほどのワインの例で言えば、子育てに忙しく、節約して教 育費を貯めている4人家族の主婦をターゲットとしながら、高品質のワインを提供することは一貫性がとれておらず、うまくいかない可能性が高い。

----- 引用ここまで ------------------------------

 

まずは、前提として、そもそもフレームワークとしての4Pの説明です。

世の中の大半のマーケティング術というのは、4PのPromotion(プロモーション)のなかだけのことをいっています。

たとえば、Facebook集客とか、スマホで集客とか、PPCとか、SEOとか、動画マーケティングとか、全部Promotionのことをいっています。

 

さて、戦術を考える上で大切なのは、ちゃんと戦略ができていることです。

聞いたことがあるかもしれませんが、

「戦術は、戦略に従う。戦略は、ビジョンに従う。ビジョンは、理念に従う。」

という言葉があります。

つまり、上位概念から、理念→ビジョン→戦略→戦術と、一貫性をとっていく必要があるということです。

 

連日の家電ネタを継承します。

とある家電メーカーの理念が、「貧困をなくす」だとします。

それに従うビジョンは、「50年後には、すべての国と家庭に家電をいきわたらせる」だとします。

それに従う戦略が、「低所得層向けに、品質を犠牲にしてでも価格を下げて、価格優位性で勝負」だとします。

それに従う戦術は?

として、製品(Product)、価格(Price)、流通 (Place)、コミュニケーション(Promotion)を考えていきます。

上記の例ならば、間違っても製品(Product)にiPhoneのようなものは出てきませんよね。

 

さて、では、スモールビジネスにおける戦術はどう考えればよいでしょう?

4Pは、どのビジネスでも必要です。

というか、無意識でもやっています。

製品(Product)、価格(Price)、流通 (Place)、コミュニケーション(Promotion)をとても簡潔に言い換えると、

・商品・サービスは何ですか?

・それはいくらですか?

・どこで売っていますか?

・広告宣伝はどうしていますか?

という、すごく当たり前なことだからです。

 

戻ります。

スモールビジネスにおける戦術はどう考えるか?

これは、スモールビジネスだろうとなかろうと同じですが、基本通り、戦略に従います。

 

では、戦略とはなんでしょうか?

先の引用でいうならば、次の1)~4)が戦略フェーズで考えるべきことです。

1)マーケティング環境分析と市場機会の発見
2)セグメンテーション(市場細分化)
3)ターゲティング(市場の絞り込み)
4)ポジショニング

フレームワークとしては、3C分析や、SWOT分析や、ファイブフォース分析を使うひともいるでしょう。

方法はなんでもよいです。

要は、どこの誰が顧客で、競合は誰で、その競合にどう差別化するか(もちろんその差別化がすぐに競合に真似されないように独自資源に根付く必要があるわけですが)がわかればよいのです。

 

理念やビジョンなんて犬に食わせろという方もいます。

しかし、戦略がいらないという方は知りません。

 

マーケティング的なことを、何か考えようとしたら、まずは戦略を練りましょう。

こう書いても伝わらないと思うので、具体的に書きます。

 

あなたが、「さて、今月○人の新規客が取りたいぞ」と思ったとします。

「新しい商品でも仕入れてみようかな・・・」

「この前、営業がきた○○で広告を出すか・・・」

「最近、LINEがアツいらしい・・・」

「いやいや、まずはPPCから・・・」

「ビジネスマッチングサイトに登録してみよう・・・」

「うちも、そろそろ○天に出店か・・・」

「いろいろ面倒だし、簡単にできる割引セールでもしようか・・・」

と、いきなり考えるのは、もれなく間違いです。

(成功しない、とはいいません。ですが、間違いなく、手順として間違いです)

 

あなたが、考えるべきは、戦略です。

 

「おい、今日は4Pのハナシじゃなかったか?」といわれそうですね。

はい。

4Pとは、つまり・・・・

「戦略の後に考えること」です。

「戦略の後に考えること」です。

「戦略の後に考えること」です。 

 

続きます。

 

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