ターゲッティングの外にお客様をみつけるという劇薬
ターゲッティングの外にお客様をみつけるという劇薬
引き続き、スモールビジネスのオーナー様へ、年内中にお役立ちできるようなことを、書いていきたいと思います。
昨日は、強み弱みの“解釈”を転換させて、チャンスを見つけましょうというはなしをしました。
“客数を増やしたい”というのは、どのようなビジネスにでもある目標なのではないでしょうか。
“客数を増やす”を分解すると、“新規客を増やす”と“流出顧客を減らす”の二つになります。
主に、ビジネスをされている方の関心ごとは、“新規客を増やす”ことの方なので、“流出顧客を減らす”対応をするだけで、自然と客数は増えます。
これは冒険をすることなく、確実に、“客数を増やす”方法です。
ですが、恐らく“新規客を増やす”ことの方に関心があるでしょうから、そちらについてもご紹介していきます。
“新規客を増やす”ことを分解すると、“ターゲット市場でのシェアを伸ばす”と、“ターゲット市場の外に出る”の二つになります。
(ターゲッティングをしていない、という方は、まずはちゃんとターゲッティングからはじめてください)
どのようなビジネスでも、もちろんスモールビジネスでも、ターゲットとする市場規模があり、その市場が拡大もしくは縮小するという動きをしています。
市場が拡大していくならば、市場のリーダーについていけば、自分のビジネスも成長します。
反対に市場が縮小していくときには、競争が激しくなり、ときとして市場から撤退するという判断も必要になります。
そして、前者は、このターゲット市場に対して、あなたのシェアを増やしていきましょうということです。
すでにあなたが営業活動のなかで実施されていることかと思います。
そして、後者は、このターゲット市場の外にでましょうということです。
これは劇薬です。
「女性向け化粧品を、男性に売る」というような飛んだ発想が必要です。
良い発想ができたとして、良い面だけをみれば、市場が2倍になります。
しかし、実際には、副作用には細心の注意が必要です。
1.市場(=顧客)が変われば、競合が変わる
2.競合が変われば、強み(=差別化)が変わる
3.強みを長期的に支えるには、独自資源が必要
喫茶店という市場があるところへ、立ち飲みコーヒー店が出店した。
そこに、ハンバーガー店が本格コーヒーを売りだした。
さらに、コンビニが本格コーヒーを売りだした。
それぞれ、独自資源を活用し、これまでにない価値を訴求することで差別化を図りました。
加えて、新しい市場に出るということは、少なくとも既存のブランディングに影響が出ます。
今まで運動とは無縁の女性をターゲットに、「女性限定」「わずか30分」「プールもシャワーもないシンプルな設備」「住宅街や商店街の外れの立地」で差別化をしているのがフィットネスクラブ カーブスの戦略です。
では、このカーブスが何も考えずに、市場の外に出たらどのようになるでしょうか?
例えば、何も考えずに男性客を受け入れたら・・?
これが、ターゲット市場の外に出ることが劇薬になる理由です。
しかし、この副作用も考慮しつつ、新たな市場を開拓できる道がみえたとき、貴方のビジネスにブレイクスルーをもたらします。
ビジネスや軍事利用で使うことが大前提だった巨大なコンピュータを、家庭で個人が使うという発想を、どこかで誰かがしたから、私たちの手元にパソコンはあるのです。
正月休みの間、これまでとはまったく異なるターゲットを相手にビジネスをすることを想像してみること(考えてみるだけ)で、新しいアイディアが湧き出てくるかもしれません。
まとめ。
客数を増やすならば、“流出顧客を減らす”ことが最も冒険がなく確実。
“新規客を増やす”ならば、“ターゲット市場でのシェアを伸ばす”ことから。
それはもう十分だというならば、“ターゲット市場の外に出る”という、【検討をしてみる】。
続きます。