トラブルの予兆に気づく
トラブルの予兆に気づく
今日も、ご覧になっていただき、ありがとうございます。
昨日は、問題解決は、なぜ? よりも前に、どこ? を分析するということを書きました。
これは、別にシステムトラブルでも、販売不振でも同じことです。
そもそも何が問題で、どこに問題があって、なぜ問題なのか? の順番です。
これを、順を追ってきちんと抑えておかないと、問題の核心に迫れず、打ち手が発散してしまいます。
そうはいっても、トラブルは発生しない方がよいですよね。
今日は、その予防について書いてみたいと思います。
実は、なにかまずいことが起こるときには、突発的にいきなり発生するということはほとんどありません。
特に、現場レベルでは、「とうとう起きた」とか「いよいよ起きた」とか口に出さないまでも思っているものです。
ハインリッヒの法則では、
「重大事故の陰に29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」
といわれています。
ニアミスとは、いわゆる「ヒヤリ・ハット」です。
「やらかしてしまう」前には、いろいろな「ヒヤリ・ハット」が事前に顕在化しています。
昨日の請求書誤発送であれば、
例えば、宛名をミスして訂正していたり、書面の数字の間違いを訂正していたり、他の事務の仕分けを誤っていたり、です。
経営者はたまたリーダーが、トラブルを減らすためには、
この「ヒヤリ・ハット」に注目するのは必須でしょう。
そして、この「ヒヤリ・ハット」に対して、なんらかの対策を打つのか、それとも放置するのか、それは「あなたの判断」です。
そして、その判断の結果は、先のトラブル発生に関係してきます。
もちろん、対策をしなかったからといって、必ずトラブルが発生するわけではないですし、
対策をしたからといって、トラブルが決してなくなるわけでもありません。
実際に対策するとなれば、ヒト・モノ・カネ・情報・時間がかかるので、経営マターにまで発展します。
リスクマネジメントの考えが思考フレームとしては役に立つでしょう。
もちろん、人間はミスをする生き物ですから、「ヒヤリ・ハット」すべてに敏感になっていたのでは、仕事になりません。
そこでお勧めは、「ヒヤリ・ハットの増減に注目する」ことです。
たとえば、週次で「ヒヤリ・ハット」を集める場を設けて、件数と内容を記録します。
「ヒヤリ・ハット」が増える前提には、疲労、業務過重から、油断、慢心、惰性などのさらなる予兆があります。
「ヒヤリ・ハット」が増えたタイミングを抑えることができれば、「問題分析をちゃんと検討してみる」機会なのかなと、とらえることができます。
そして、もし、環境面がなにも変化していないのに、
「ヒヤリ・ハット」の件数が減ったとしたら、
実はそちらの方が本命で「問題分析をちゃんと検討してみる」機会です。
なぜなら、それは「ヒヤリ・ハット」が実際に減っているわけではなく、
・「ヒヤリ・ハット」に気づけない
・「ヒヤリ・ハット」に気づいても気にとめない
・「ヒヤリ・ハット」が集まらない
という、疲労、業務過重、油断、慢心、惰性などのことが
発生している恐れがあるからです。