消費税率引き上げとウォーターベッド効果4
昨日は、いったん消費者に対して消費税を転嫁しない業者がいると、その3%のババ抜きがはじまって、転嫁拒否を禁止する法律ができても、うちの業界は関係ないといっても、最終的には巻き込まれるということを書きました。
本日からその続きで、対策編です。
繰り返しになりますが、消費税転嫁(つまり、8%分もらうこと)は必要です。
あなたがババを引く必要はまったくありません。
引けば、負けです。これが大前提です。
しかし、B2Cをしていれば、消費者に転嫁できたとしても、消費が鈍ったりします。
B2Bでも、取引先もしくは取引先の取引先が転嫁せずにババを引いて、ババの余波をかぶるかもしれません。
消費自体が減ることは確実視されています。
消費税を転嫁する、徹底的に転嫁する、と選択しても、
取引の数量(B2CでもB2Bでも)が一般的には減るので、
売上に影響が出てくるわけです。
減るというのは、質か量かでいったら、量が減るわけです。
量が減るのをカバーするには、どうしますか?
単純に言って質を上げる、ことになります。
質とは、単価です。
ですので、消費税の影響を回避するためには、
いまより攻めなくてはなりません。
攻めて、業績的には、現状維持です。
よくいわれる、売上 = ①客数 × ②客単価 を分解すると・・・
①客数 = A既存顧客 + B新規顧客 - C流出顧客
②客単価 = D一点あたり単価 × E購買点数 × F購買頻度
になります。
どこかのテコ入れが必要です。
一番簡単なのは、値上げです。
・・・なにいってるんだ? という感じでしょうか。
いいたいことは分かります。
消費税分があがって、サイフから出る金額があがったから、買わなくなっている。
それにも関わらず、よけいサイフから出る金額をあげるとは・・。
ですが、想像いただきたいのは、それができれば、問題ないですよね。
客数を減らさない、客単価アップができれば。
ひとつのヒントはなか卯にあります。
なか卯が、先日、牛丼を2割値上げしました。
もちろん、いきなり単純に値上げしたら反発があります。
そこはうまくやりました。
----- 引用ここから ------------------------------
ゼンショーホールディングス傘下で、牛丼チェーン業界4位の「なか卯」は10日、「牛丼」の販売を今月12日午前11時に終了し、それに代わる新メニューとして「牛すき丼」を発売すると発表した。
なか卯は「牛丼チェーンから、丼チェーンへの転換を図る」(広報)としている。
なか卯は牛丼を約40年間販売しており、2010年には、並盛りを290円へ値下げした。割安感もあって全注文数の3割強を占める集客メニューだったが、吉野家などライバルが280円で販売するなど、競争環境が厳しかった。
さらに、景気回復が進む中で、消費者のニーズが高価格帯に移りつつある。なか卯でも、並盛りの値段が牛丼より2倍前後高い親子丼やカツ丼の売れ行きがよくなった。
牛すき丼は、並盛り350円。牛肉のほか、すき焼きに欠かせない豆腐、長ネギなどを具材に使い、従来の牛丼より甘い味付けにした。
(2014年2月11日08時59分 読売新聞)
----- 引用ここまで ------------------------------
うちは、牛丼屋じゃない。
うちは、飲食業じゃない。
うちは、BtoCじゃない。
とか、言わないでくださいね。
これを、どうあなたのビジネスに取り入れることができるか?
それが肝心です。
続きます。