消費税率引き上げとウォーターベッド効果5

昨日は、消費税を転嫁したとしても、巡ってくるババや、消費の冷え込みのためには、いまより攻める必要がある、ということを書きました。

本日も対策編の続きです。

昨日ご紹介した「なか卯」の、巧さは、“すり替え”の巧さです。

一般的な消費税転嫁対策といえば、
「値上げをせずに、量を減らす」(実質値上げ)とか、
「値上げできるものを値上げし、値上げできないものは値下げして、全体で3%アップ」とか、
ちょっと知恵がある消費者からすると、
それでごまかせると思っているのか?
というような、セコい、対策が目立ちます。

ですが、「なか卯」は、“牛丼”という商品ブランドを捨ててまで、勝負に出たわけです。

ただ単に量を減らすだけの対策は、顧客満足度を犠牲にする、という対策です。
企業側、業者側が気付いているかは、わかりませんし、誤魔化せると思っているかもしれませんが、消費者は売り手よりよっぽど賢いので、ちゃんと気付いています。

いままでは、○○円で、○○グラム。
同じ○○円だけど、これっぽっちしか入っていない。

つまり、これは不満を招くわけです。
(そうであるならば、単に値上げをした方が良いとは思うのですが・・)

それに対して、「なか卯」の場合は、以前とは比べられません。
和風牛丼と、牛すき丼は、多少似ていたとしても、別な商品だからです。

これは、勇気のマーケティングです。

「なか卯」が結果的に成功するか、失敗するかは、まだわかりません。
ですが、簡単に真似できるか、といえば、どの企業・業者でも難しいでしょう。
コカ・コーラに、コーラを捨てろとか、
マクドナルドに、ハンバーガーはもう販売するな、
とか、言っているわけですから。

もし、そういったブランドをある意味捨てるのに抵抗がある場合は、
ある商品のラベル替えのアイディアは役に立ちます。

続きます。

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