「売り難さ」を解消するカギ6
今日も、サービス業の方向けです。
繰り返しになりますが、30年以上も前に書かれた論文です。
いまでは、当たり前であることを、指摘しています。
そこで、クイズです。
下記の指摘の受ける、現在では当たり前の価値観は、なんでしょうか?
----- 引用ここから ------------------------------
人的作業の割合を抑え、品質管理を図る
無形財を提供する企業は人間に依存する部分が多いため、品質管理が大変難しい。
自動車の品質管理は、組み立てラインのシステムに初めから組み込まれている。赤色の車に黄色のドアが取りつけられていれば、すぐにだれかが「黄色のドアは計画どおりなのか」と尋ねる。前方の左車輪がはめられていないと、車輪のボルトを締める担当者がラインをストップさせる。しかし、銀行員が目論見書に大切な何かを書き落としたり、説明が不十分だった場合、それは問題にならないかもしれない。ただし後でわかっても手遅れだ。借りたレンタカーの灰皿が汚れていた場合、料金を先払いした顧客は非常に不愉快になることだろう。二度とこの会社を利用しようとはしないはずだ。
人間というものは、どれだけ訓練を受け、またやる気が十分だとしても、間違いを起こす。物忘れし、軽率にふるまい、当たり散らすこともある。そこで、人間にすべてを頼らない方法が模索される。
以前私は『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌で、サービス産業において人間に依存する割合を減らす提言をしたことがある。それを「サービスの工業化」(industrialization of service)と名付け、人間に依存する作業では、ハード・テクノロジー、ソフト・テクノロジー、あるいはこれらを混合した代替法を探すべきであるという提言だった。
~中略~
マネジメント革命
サービスの工業化は、品質管理を容易にし、コストを削減する。それは人間の労働の質を向上させるのではなく、労働の質を変えるように作業を再設計することである。最初は、一九世紀に財の生産に用いられたのと同じ経営合理性が、サービス-無形財の創造・生産・納入に適用されることになる。一九世紀の生産方法が意味するところは、家畜動力が機械動力に移ったという産業革命にあるのではなく、「マネジメント革命」にある。すなわち、職人が一人だけで得意な財をつくるやり方から、経営者による合理的な業務管理に移ったということだ。
セオドア・レビット『無形性のマーケティング』
(1981年ハーバード・ビジネス・レビューより)
----- 引用ここまで ------------------------------
答え。
サービスこそ、「標準化」と「仕組み化」をしなさいと言っています。
こう書くと、「はいはい、知っている」と返ってきそうですが、
「標準化」と「仕組み化」という言葉だけで思考停止している方は多いです。
・最初に問い合わせをしてきた見込み客の方へ、どのような応対をしますか?(5W1Hで)
・お申込みがあったお客様へ、どのような応対をしますか?(5W1Hで)
・一定期間取引のないお客様へ、どのようなフォローをしますか?(5W1Hで)
結構、決まっていないことが多いのではないでしょうか?
続きます。