スモールビジネスにおけるセグメンテーション

スモールビジネスにおけるセグメンテーション

今日は、セグメンテーションについて。

まずは、前提として、そもそもセグメンテーションとはなんでしょう? から。

下記は、わたしが最初にマーケティングを学んだ、グロービス・マネジメント・スクールのMBA用語集から引用します。

 

----- 引用ここから ------------------------------

セグメンテーションとは、マーケティング環境分析の結果を踏まえて、不特定多数の人々を同じニーズや性質を持つ固まり(セグメント)に分けること。

市場細分化。

これにより、他社に対する優位性を築くことを目指す。

万人向けの製品を販売することは、顧客の満足度、自社の経営資源とコストの点から考えると、必ずしも効率的ではない。

顧客のニーズは多岐にわたっているため、万人向けの製品を作ろうとすると製品コンセプトが曖昧になり、結果的に誰も買わない魅力のない製品になってしまうからだ。

また、仮に対応できたとしても膨大なコストがかかってしまうからである。

そこで、いくつかの共通項で市場を分割し、一定のマーケティング刺激に同じように反応する集団に分類していく。

そして、その中の特定集団に照準を合わせ、マーケティングの資源を集中投下しようという考えが背景にはある。

セグメンテーションは、単に細かく市場を分ければよいというものではない。

どのように細分化することが自社にとって意味があるのかという軸や切り口を発見することが、極めて重要であり、かつ困難でもある。

そのためには、様々な切り口でとにかく細分化を行い、感度の良いセグメントを発見する必要がある。

感度の良いセグメントの条件としては、次の4つの条件(4つのRの原則という)を満たしているかが目安となるだろう。

①Rank(優先順位づけ):顧客層を重要度に応じてランクづけしているか

②Realistic(有効規模):そのセグメントで十分な売上高と利益を確保できる規模があるか

③Reach(到達可能性):セグメント化された市場の顧客に製品を的確に届けられるか

④Response(測定可能性):当該セグメントの顧客層からの反応を分析することは可能か

----- 引用ここまで ------------------------------

 

ちょっと難しいですので、簡単に言うと、(顧客の)ニーズを分けて、その中からオイシそうなところを狙って(ターゲッティングして)、マーケティングの戦術(4P)を展開していきましょうということです。

そして、このオイシイかどうかは、4Rで評価しましょうと。

 

さて、では、スモールビジネスにおけるセグメンテーションはどう考えればよいでしょうか。

まず、「小難しいことを考える前に、目の前の顧客をがっちり捕まえて、徹底してその願いを叶えるのが先決」というのは、あっています。

これまでも、そのようなことを書いてきました。

 

それを踏まえて。

スモールビジネスの場合は、「よいお客様」をもっと増やすという視点でセグメンテーションを進めてみましょう。

 

つまり、まず「よいお客様」を列挙します。

そして、その特徴の共通項をみていきます。

すると、その「よいお客様」のあるグループには、ある共通のニーズがあって、そこに自分の提供する商品・サービス(メニュー外も含め)と相性がよいことに気づくと思います。

 

昨日の例のまま、あなたが町の家電屋だとしたら。

「よいお客様の列挙」

→やたら買ってくれて文句も言わず、感謝をしてくれるお客様をあげていったら、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんが思い浮かんだ。

「その特徴の共通項」

→Aさん、Bさん、Cさんには、お年寄りで、かつ子供と住んでいないという共通点があることがわかった。

「共通ニーズとの相性」

→ああ、家電を買う(買い替える)のは、いろいろ面倒がつきまとうから、配送・設置・設定・下取り・ゴミ回収とか、そういった面倒事をやってあげているのが喜ばれているんだな。

 

そして、4Rチェックです。

最も重要なのは、Realistic(有効規模):そのセグメントで十分な売上高と利益を確保できる規模があるか でしょう。

つまり、他に、同じようなお客様はいますか? ということです。

ここでの注意をあげるならば、上記家電屋の例で、「お年寄りで、かつ子供と住んでいないヒトは、この町にあとどれだけいる?」と考えてしまうのはダメです。

ニーズを、普遍化して、同じニーズがほしい人は、他にもいないか、と考えます。

家電を買う(買い替える)のは、いろいろ面倒というのを、もっと深くニーズをみていって、“設置と配線が自分ではできない(だから誰かやって)”がニーズなのだとしたら、「女性」とか「ひとり暮らし」とか、キーワードが出てくるはずです。

とすると、対象顧客の幅が広がっていきます。

同じような悩みを持っている人が、ターゲットとなるからです。

 

あとは、打ち手に繋がるか、みていきます。

“設置と配線が自分ではできない(だから誰かやって)”ニーズに対しては、それをクリアするような付帯サービスをアピールするという打ち手が考えられます。

反対に、「よいお客様」の共通点が“双子の親”で、ニーズと相性が、“自分も双子の親で双子の親トークができるから”だとしたら、家電屋としては、打ち手はありません。

 

この流れにのって、明日は4Pにします。

続きます。

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