システムについての大きな誤解

システムについての大きな誤解

 

あなたは、システム(この記事内では、システムとはコンピュータ・システムの意味に限定します)に対して、

・信頼できる

・毎回正しい処理をする

・一度作ればなにもしなくてよい

というような認識をお持ちではないでしょうか?

残念ながら、そのような認識が正しいものであるためには、決定的な前提条件が必要です。

それは、「同一条件下」であることです。

そして、この「同一条件下」というのは、少なくともインターネットを介す限りは、まず間違いなく起こりえません。

つまり、

・信頼できる

・毎回正しい処理をする

・一度作ればなにもしなくてよい

が保証されることは実質ないということです。

 

同一条件下を、解説します。

簡単にいうと、あなたのパソコンのデスクトップの一番左上のアイコンをダブルクリックしてください。

わたしのパソコンでも同じように一番左上のアイコンをダブルクリックしてみます。

結果、同じことが起こったでしょうか?

同じことが起こるかもしれませんし、起こらないかもしれません。

なぜなら、あなたとわたしのパソコンは違うもの(つまり環境が異なるもの)ですし、仮に同じあなたのパソコンを利用したとしても、昨日と今日ではアイコンの並びが変わっているかもしれません。

上記は幼稚な例ですが、つまり、ある処理をするために必要となる前提がすべて同一だった場合のみ、同じ処理がなされるのです。

そして、必要となる前提がすべて同であることを担保することは、実質的に不可能です。

システムのプロは、不完全を前提に考えますし、人間が判断し作るものにミスがないわけがないという前提でテストをします。

さて、この記事を読んでいるあなたは、きっとシステムのプロではないと思いますので、あなたに関係のあることを記します。

 

・あなたがWebサイトを持っているのなら、Webサイトが、「いま」ちゃんと動いている保証はありません。

・あなたが仕事でE-mailを利用しているのなら、メールが、「いま」ちゃんと動いている保証はありません。

・もし、あなたが、いまWebサイトを閲覧できてメールが使えたとしても、お客様(あなた以外の利用者)が、同じことができる保証はありません。

上記3つのうち、どれかひとつでも、ドキリとした方は、システムに対する過信があります。その過信は捨ててください。いま、捨ててください。

 

さて、そんな不完全なシステムを安心して利用するためには、どうすればよいのでしょうか?

その答えは、やはりシステムのプロの現場にあります。

システムの現場では、なんらかの環境変更・設定変更を行った場合や、動作に異常がありそうかチェックする時に、通称ノンデグレといわれる試験を行います。

簡単にいうと、肝となる動くべき機能がちゃんと動いているかの確認です。

たとえば、Webサイトならばトップが表示できるか、問い合わせフォームからの受付がちゃんとできるかなどの試験になりますし、E-mailならばメールの送受信ができるかの確認になります。

毎日、毎週実施する必要はありませんが、あなたがビジネスで使っているシステムについては、定期的に“ノンデグレ”を実施してみてください。

そして、年末年始はまさにこの定期的チェックの絶好の機会です。

是非、お試しください。

 

もし、お客様があなたのWebサイトに訪れて、問い合わせフォームを利用したらエラー画面に遷移したら・・・?

もし、お客様があなたのメールアドレス宛てにメールを送信し、エラーになって送信失敗したら、もしくは送信は成功してもあなたが受信できていなかったとしたら・・・?

このときビジネスへの悪影響については、明日書きます。

続きます。

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